アスリートにとって温泉はコンディションを整えたり、疲れを癒したり、リハビリしたりと、なくてはならない大切な場所。そもそも、池田氏がスポーツと温泉の関わりに興味を持ったきっかけは、横浜DeNAベイスターズの球団社長時代にある。

「今は投手コーチを務めている三浦大輔さんが当時、よく言っていたのがオフのオーバーホール(体のメンテナンス)の話でした。多くの選手がオフに温泉へ出かけていたので、一体どこに行っているのか、行ってみたいという気持ちになりました」

シーズン中の朝には、選手と一緒に横浜スタジアム内の風呂に浸かることもあったという。「本当の意味での裸の付き合いをしていました。変な社長だなと思われていたと思います。自転車でスタジアムまで来て、汗だくで風呂に入ってくるのですから」。現在は、スポーツによる地域活性化・地方創生を目指す一般社団法人さいたまスポーツコミッションの会長を務めるが、荒川河川敷に自転車などスポーツ愛好家が集える温泉施設をつくるアイデアを披露するなど、スポーツと温泉は切っても切れない関係にあると考えている。

株式会社ディー・エヌ・エーで球団社長就任前の池田氏と仕事をともにしていたのが内村氏。「池田氏の弟子」を自負する熊本ヴォルターズCEOが推すのが、熊本の温泉街「黒川温泉」だ。「熊本といえば、やはり黒川温泉」とし「屋根の色と壁の色が合わせてあって、通りかかるとそこだけ異質な空間になっています」と、その魅力の一端を説明。中でも「素敵な旅館で、とても有名」としてオススメのスポットに「山みず木」を挙げた。

内村氏によると「B2はアウェーの来場客数が少ない」のが悩みだという。そこで、今後見据えているのが観光業との連携だ。「せっかく来てくれたなら、熊本を観光して帰ってもらうような取り組みができるといいなと思っています」。それに対し、池田氏は「温泉に選手を出没させては。そこに行くと選手に会えるとか、温泉と提携してスポンサードしてもらうとか」と提案。黒川温泉と熊本ヴォルターズのコラボに期待感を示した。

黒川温泉は、阿蘇のさらに奥地、大分県との県境に位置。2000年まで地元新聞社が発行する地図にも載っていなかった“秘境の温泉”とされている。多くの人の手による景観づくりなどで認知度を高め、今では全国区の温泉地として知られるようになった。2016年の熊本地震で痛手を受けながらも、観光客数もほぼ地震前の水準に戻っているという。

黒川温泉観光旅館協同組合

かつては存続の危機に陥ったこともあるが、全ての露天風呂を利用できる「入湯手形」の導入で「露天風呂めぐりの黒川温泉」というブランドをつくるなど経営努力の末、メディア露出、売り上げを年々増やしていった経緯がある。スポーツも温泉も、重要なのはブランド価値。地域活性化へ、両者の連携には一つの大きな可能性がありそうだ。

黒川温泉観光旅館協同組合 黒川温泉観光旅館協同組合


【黒川温泉】
■住所
〒869ー2402 熊本県阿蘇郡南小国町黒川さくら通り(黒川温泉観光旅館協同組合)

■アクセス
車:熊本インターから1時間半ほど
電車:熊本駅から九州横断バスで3時間ほど

■公式サイト
https://www.kurokawaonsen.or.jp




取材協力:文化放送

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文化放送「池田純 スポーツコロシアム!」(毎週月 20:00~20:30)
パーソナリティ:池田純
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黒川温泉公式サイト

VictorySportsNews編集部