ヒート復調を陰ながら支えるジェームズ・ジョンソン、『殺傷能力』抜群の豪快ダンクに対戦相手は震撼
格闘技経験からついたニックネームは『Bloodsport』 今シーズンからハッサン・ホワイトサイド、ゴラン・ドラギッチの2枚看板で心機一転のスタートを切ったヒートだが、開幕直後から大不振。1月13日の時点で11勝30敗と大きく負け越し、プレーオフ争いから脱落しかかっていた。 それでも、1月17日からの13連勝で巻き返し、現在は東カンファレンス7位タイにまで順位を上げている。その立役者はホワイトサイドとドラギッチだが、今シーズンのヒートには陰ながらチームを支えるバイプレーヤーも多い。 その一人に挙げられるジェームズ・ジョンソンは、高い身体能力を生かしたディフェンス、万能性でチームに貢献。今シーズンはベンチから69試合に出場し、得点(12.5)、リバウンド(4.8)、アシスト(3.5)でキャリアハイの成績を残している。 キックボクサーだった父を持つジョンソンは、18歳の時に自身もキックボクシングで活躍し、20戦全勝の戦績を誇っている。格闘技経験者ならではの当たりの強さが垣間見られたのは、3月28日に行なわれたピストンズ戦だった。 東カンファレンス8位を争うライバルとの対決は一進一退の攻防が続き、最後はホワイトサイドのブザービーター・ティップレイアップで勝利した。この試合のハイライトは、ホワイトサイドが試合終了直前に押し込んだレイアップの他に、もう一つある。第4クォーター残り5分40秒、ドラギッチからのパスをトップ・オブ・ザ・キーで受けたジョンソンがドライブからダンクを決めたシーンだ。 ジョンソンはペイント内に入った瞬間に跳躍。進行方向をふさぐように立ちはだかったマーカス・モリスを吹き飛ばし、リムの上からボールを叩き入れた。ジョンソンの『フライングニー』をみぞおち付近に受けたモリスは悶絶したが、ディフェンシブファウルを取られてしまい、踏んだり蹴ったり。 このプレーには若手の多いヒートのベンチも大興奮。あまりの衝撃に新人ルーク・バビットは無表情になる始末だった。 プレーオフが近づく今後は、フィジカル色の強いプレーが頻繁に見られるようになる。どのチームも、『腕に覚えあり』のジョンソンをマークするからには、ある程度の覚悟を持って臨むべきだろう。格闘技経験から付いたニックネーム『Bloodsport』(負傷や事故で命を落とす危険性のあるMMAのような競技の総称)は伊達ではない。
写真=Getty Images