今回の同委員会では、マスコット案の応募の枠組みについて検討。作品に対し、一定のデザイン要件を求める公募とする方針を決めた。会議では世界有数の優秀な日本のクリエーターによるコンペなども検討されたが、結局は参加資格要件を設けず、積極的な参加意志を持つ人によるオープンな応募方法こそ、オリンピック・パラリンピックの精神にかなうものだとして合意した。

 第4回となる同会議は2月13日に予定されており、議題内容はマスコット応募のデザイン要件と、審査方法の方針について話し合われる。

 2015年7月24日に発表された東京オリンピック・パラリンピック競技大会エンブレムでは模倣疑惑が持ち上がり、その後オリンピック組織委員会はデザインを白紙撤回した。この事件からデザインの選定過程の不透明性などが浮き彫りとなり、公募による再選考で現在のデザインに決定した経緯がある。再選考では応募総数14,599件を5段階で絞り込んで決定。応募から最終審査までは、約半年の期間を要した。

 今回のマスコット選考では、エンブレムの教訓を生かしてオープンな選出方法となっている。

マスコット選考検討会議・メンバーは以下のとおり(2017年1月12日現在)
座長
宮田亮平(文化庁長官)
副座長
生駒芳子(ファッション・ジャーナリストアート・プロデューサー)
委員
あんびるやすこ(絵本作家、一般社団法人日本児童出版美術家連盟理事、一般社団法人日本美術著作権連合副理事長)
石井リーサ明理(照明デザイナー)
石川和子(一般社団法人日本動画協会理事長)
垣内俊哉(株式会社ミライロ代表取締役社長)
官浪辰夫(デザインコンサルタント)
杉山愛(官浪 辰夫 スポーツコメンテーター、元プロテニスプレーヤー)
田口亜希(パラリンピック射撃日本代表、一般社団法人パラリンピアンズ協会理事)
中川翔子(歌手、タレント)
夏野剛(慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科特別招聘教授)
林いづみ(弁護士桜坂法律事務所パートナー中央大学法科大学院客員教授)
日野晃博(株式会社レベルファイブ代表取締役社長/CEO)
陸川和男(株式会社キャラクター・データバンク代表取締役社長、一般社団法人キャラクターブランド・ライセンス協会理事)

(写真=リオデジャネイロオリンピック・パラリンピック公式マスコットのヴィニシウスとトム)

【東京2020大会マスコット】公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が、外部有識者による「マスコット選考検討会議」を設置。これによって選出される公式マスコットのことをいう。同委員会では、マスコットをどう募集するのか、マスコットをどう選ぶのかを審議し決定する。


VictorySportsNews編集部