両チームとも低調、前半を0-0で折り返す

韓国は、勝てば文句なしの出場権獲得。しかし引き分けの場合3位シリアの結果次第ではプレーオフ、敗れた場合は予選敗退の危険すらあった。一方のウズベキスタンは自力での出場権獲得が消滅しており、勝利し3位シリアの結果を待つしかない状況にあった。

韓国とウズベキスタンのワールドカップ予選における成績は、韓国の5勝2分0敗。相性の良い相手とはいえ、アジア参入以来そのチカラを示し続け、日本も苦しめられたウズベキスタンは油断ならない相手。アウェーの地で勝利が半ば義務付けられる、苦しい状況に置かれていた。

韓国は前節から4人メンバーを入れ替え、トッテナム・ホットスパーでプレーするソン・フンミンを中心とした布陣。キム・スンギュ(現神戸)、キム・ヨングォン(元FC東京、大宮)、キム・ミヌ(前鳥栖)、イ・グノ(元磐田など)ら日本人に馴染みのある選手を揃えた布陣となった。

試合は前半から、両チームの低調さを示すような内容。韓国は個人能力の高さを見せるものの、チャンスメークが個人頼み。前線と最終ラインの距離が遠いため、ボールを失うと広大なスペースをウズベキスタンに与えたびたびカウンターを受けた。
 
しかしウズベキスタンも韓国のそのスペースや数的優位の局面をうまく使えず、ペナルティエリア付近まで迫るものの決定機を作るには至らない。前半19分には、韓国が撤退守備に入ったところを見て7番ハイダロフが強烈なミドルシュートを放つものの右ポストを直撃。結局、ウズベキスタンのチャンスは前半この1回に留まった。
 
前半43分、韓国は守備の要チャン・ヒョンスが負傷退場を強いられるなど、苦しい展開に。それでも前半ロスタイム、韓国は10番ファン・ヒチャンがフリックでDFラインのウラに出したボールに7番ソン・フンミンが反応し右足を振り抜くも、GKネステロフのセービングにあい得点ならず。前半は0-0で折り返す。

後半も両チーム決め手を欠く

後半も、両チーム精彩を欠く立ち上がり。ウズベキスタンは52分、8番ジェパロフを下げテクニックのある10番ラシドフを投入、トップ下の位置に置いて攻勢を強める狙いを持った。しかし状況はそれほど好転しないまま。
 
57分、韓国はキム・ミヌとのワンツーから最後はイ・グノがペナルティエリア内でフリーになり右足シュートを放つも、ボールはポストをかすめるのみ。

韓国は個人能力で明らかにウズベキスタンを上回るも、ボールホルダーとレシーバー以外のいわゆる「第三の動き」がほとんどなく、チーム戦術としてどう崩すかがわかりづらい状態。一方のウズベキスタンも、韓国のトランジションにおけるスキを突くだけのパフォーマンスを示せないまま。

両チーム決め手を欠く中、85分に韓国にビッグチャンス。ペナルティエリア左からキム・ミヌの左足クロスを交代出場のイ・ドングクがヘディングシュート。ピッチに激しく叩きつけられたボールはしかし、クロスバーとGKネステロフの手に阻まれ得点ならず。さらに85分、右サイドから崩して最後はこぼれ球をイ・ドングクがシュートするもゴール左に外れた。

結局、試合はこのまま0-0で終了。勝利以外に活路が見いだせなかったウズベキスタンは予選敗退が決定。首位イランと3位シリアが2-2で引き分けたため、韓国がワールドカップ出場権を確定、シリアはプレーオフに進出した。


VictorySportsNews編集部