しぶしぶ前週を振り返る……
しょうがないから、前週を振り返りますか、しぶしぶ……。休日のため変則日程だった前週、予定では6試合が予定されていましたが、台風の影響で中日戦2試合が中止。前半の読売3連戦は1敗2分。先の広島戦に引き続き、勝てる試合を勝ち損ねた試合が2つありました。
ここまで貯金を積み上げてきたのは、桑原謙太朗、マテオ、ドリスの3人が終盤を締めてくれたおかげです。でも、ここのところの「勝ち損ね」は、いずれもこの3人の失点によるものでした。
だからと言って、責めるつもりはさらさらありません。もっと追加点を取ってやろうよ!失点したイニング以外はみんなよく投げて踏ん張ったよ!そんな試合ばかりでした。
そして、敬老の日に行われた広島戦。中谷将大の20号ホームラン、そしてウェスタンリーグ本塁打王(21本)陽川尚将の今季1号が出て、いったんは試合を振り出しに戻しました。
でも、60試合目の登板だった岩崎優が連続四球でピンチを作ると、桑原が勝ち越し打を打たれて、最後は反撃も弱く逃げ切られました。
今季も広島は強かった。主力を欠いてもそれをカバーするだけのチーム力もありました。
甲子園球場に詰めかけたたくさんのカープファンに祝福されて、緒方孝市監督が何度も何度も宙を舞う――それを見つめる阪神の選手たち。
来年こそは同じこの場所で、金本知憲監督を胴上げしないといけません。
それにしても……この2週、広島、読売という今後も重要な対戦相手に対して1つも勝てませんでした。
いずれも白熱の接戦だったのは事実ですが、1つも勝てないというのは情けない。これからの順位争い、そしてポストシーズンという短期決戦に不安を感じさせたというのが正直なところです。
気分を変えて、モードも変えて
かくなる上は、きっちりと2位を確保し、クライマックスシリーズを勝ち上がり、日本一にチャレンジするのみ。
「優勝を逃した者はすっこんどれ」という声も聞こえてきますが、そこはちょっと別の考え方をしましょう。
来年こそは阪神がめでたく優勝するワケなのですが、せっかく優勝しても日本シリーズに出られないなんていう残念なことだけは避けなくてはなりません。そこはもう堂々と優勝チームらしく圧倒的な強さで勝ち上がらないといけないのです。
しかし実際のところ、長い長いペナントレースと、短期決戦のポストシーズンは、必ずしも同じ結果になるとは限りません。
3位から日本一になった例もありますし、我がタイガースが2位から読売に4連勝して日本シリーズ出場を果たしたことも記憶に新しいところ。
短期決戦には短期決戦の戦い方がありますから、それはもうモードを切り替えてやらなきゃいけません。「来季優勝」の予行演習として、きっちりと気合いを入れて、若い選手たちに経験を積ませる必要があるのです。
去年、タイガースはCSに出られませんでした。出たチームと出られないチームでは、もとから実力の差があるのに、さらにまた「経験値の差」がついてしまうのです。
「優勝できなかったのだからどうでもいい」なんていう態度でやってはバチが当たろうってなもんですよね。
来季を意識して、今年の「功労賞」で流さない
「ドリスで負けたら仕方ない」――これはペナントレースのお話。ここからは言ってみればリセット・ボタンを押して再スタートなのです。だから、「今、一番いい方法」をもう一度冷静に考え直す必要があります。
極論すれば、先発投手が5回でフラフラしているようなら、いきなりドリスで火消し。6回マテオ、7回桑原、8回髙橋聡文と繋いで、9回は石崎剛でクロージングという組み立てだって十分に視野に入れていいワケです。もちろん、その間に岩崎や藤川球児を挟み込んだっていいいのです。
要は、これまでの「功労賞」で戦う必要はナシ!今現在のボールを冷静に見つめて、その「殺傷力」をしっかり見極め、もっとも効果的な用兵をすること。
この試みが選手のさらなる成長を促し、来季の戦い方に幅をもたらすことになるのです。
今、石崎の球、文句なしでじゃないでしょうか。リードしていない試合で2イニング、2イニングなんて無駄使いしてる場合じゃないと思いますよ!
いい投手がいっぱいいるというアドバンテージを、思う存分に使って勝ち上がってほしい。
ここから頼むよタイガース!