結果的に阪神が3位と4位を決めた
前々週は本拠地甲子園でDeNAに連続完封負け。シーズン終盤に来て、広島にも読売にもDeNAにも勝てないという状況に追い込まれ、イライラは頂点に達しておりました。
前週は、横浜スタジアムに移動してさらに同じカードで3試合。1戦目は、秋山が序盤に4失点したものの、打線が粘って引き分け。2戦目は井納以下、相手投手を攻略して16安打11得点。投げては能見が完投して大勝。ようやく重苦しい気分を吹っ切って、3位以上が確定しました。3戦目はメンドーサの先発で、淡々と敗戦。結局、DeNAとのラスト5連戦は、1勝3敗1分に終わりました。
週末は東京ドームで読売と2連戦。土曜の試合は、上本が頭部にデッドボールを受け、先発の畠が4球で危険球退場するという幕開けとなりました。俊介がホームランを含む3安打と大活躍し、先発岩貞からほぼ完璧な継投策で快勝。これでやっと2位を確定できました。
続く日曜日は、前日死球を与えた畠が2番手で登板、その上本がホームランを放り込むという漫画のようなストーリーで連勝。ようやく田口に黒星をつけられた試合でもありました。
この日、広島に勝ったDeNAが3位を確定、読売は4位となり、制度発足以来初めてCS出場を逃すことになりました。
結果的に、阪神が3位と4位を決めたような形に。どこが相手でもCSはタフな戦いですが、読売には毎年やられっぱなしでしたので、最後の連戦で引導を渡し、溜飲を下げることができました。少しだけ。
ということで、なんとも重たい気分からようやく抜け出し、CSに向けてチーム一丸になっていけそうな前週でした。
ジャイアンツ戦になると「本性」が現れてしまう
日曜の試合は、読売にとって今季、本拠東京ドームのラストゲーム。試合後にセレモニーが行われました。
横浜スタジアムではDeNAが大きくリードしていましたので、ドーム内の誰もが、これで読売の今季が終了となることがわかっていました。。
そんな沈鬱な東京ドームで、「敗軍の将」としてファンに向けてしっかりと感謝と謝罪のスピーチをした髙橋監督は立派でした。
いや、それが当たり前の姿なのでしょうが、阪神ではしばらく行われていませんでした。昨年、金本監督がきちんとスピーチをしてくれたのは、本当に良かったと思います。
髙橋監督は、スピーチの中で、阪神ファンにも感謝の気持ちを述べてくれました。阪神ファンから歓声と拍手が起こりました。
戦いは戦い。それが終わればノーサイド。こういう姿勢は見ていて温かい気持ちになります。
でも、ここで正直に白状します。私がその様子をずっとテレビで見続けていたのは、「髙橋監督立派だなあ」などと思うためではありません。
本性を現してしまうと、読売の選手たちや、スタンドの読売ファン、いつもやかましい日テレのアナウンサーが、Bクラス転落に打ちひしがれるところが見たかったのです。本当に性格悪くてごめんなさい。
自己弁護にはなりますが、読売はいっつもいっつも勝っているチームなワケです。2年、3年優勝できないと、天と地がひっくり返ったように大騒ぎするという、実にふざけた球団なのです。
地上波放送がほとんどなくなった今でこそ、構造的なアドバンテージが小さくなりました。それでも、突出した「名門」であることに変わりはありません。
そんなチームが、阪神から見れば挫折にもならないような4位という順位でガッカリしているのを、心の中でニヤニヤしながら見ていたかったのです。いけないですか?
……でも、やっぱり性格悪いですね。ごめんなさい(笑)。
チームとファンの信頼関係
「読売がうらやましい」とは思わないけれど、そうあってもいいのではないかと思うことがあります。それは、ファンがもう少し脳天気にチームを、選手たちを信じることです。
読売のファンは、長い歴史の中で、チームが勝つところばっかり見てきています。少々リードされていても、そのうち逆転できると信じています。逆転できないと「おかしいなあ」てなもんです。
それはシーズンの順位でも同じで、4位にいようと5位にいようと、そのうち上昇して優勝するだろうと思いこんでいるように見えます。確かに、現実にそういうことも何度かありました。だからそう思えるのでしょう。恐ろしいことです。
阪神ファンはというと逆かもしれません。ちょっとビハインドの展開になると、「こりゃアカン」と、何か別の楽しみを探しに走ったりします。リードしていても、「ああどうせ逆転されるに違いない。そう思っとこ」と、心の中に予防線を張っておきます。
この差はあまりに大きいと思うのです。それが、球場内の集団がかもし出す雰囲気の差となり、それが選手たちにも伝播して、「いける!」になったり、「なんかイヤな予感……」になったりするのではないでしょうか。
球団の歴史がほぼすべて黄金時代みたいな読売と、長い長い暗黒時代を経験している阪神。その差であると言ってしまえばそれまでですが、もうちょっと脳天気に信じてあげられるようにできたらなぁ……と思うわけです。
そうすれば、タイガースはもっと強くなれる!――ような気がします。