選手を力士に見立てて「番付発表」

 初場所が終わったが、相撲界はあいかわらずのグチャグチャ。でも、初場所は若い力士がたくさん活躍して、とても面白かった。私、昔から相撲が好きなのだ。

 そういえば、1970年代後半、阪神タイガースは「阪神部屋」と揶揄されていた。田淵幸一、江夏豊、遠井吾郎といった相撲取りのようなメタボ選手がそろっていたのだ。

 突然だが、今場所(シーズン)を前にして、阪神の選手たちを力士に見立てて「阪神タイガース番付」を作ってみた。だからなんだ? と言われても困るのだが、いいじゃないの、やりたかったのだから(笑)。「稽古総見」風のコメントとともにどうぞ。

●平成三〇年場所 虎バカ番付(役力士)
横綱  東 メッセ  西 糸井
横綱  東 福留   西 鳥谷
大関  東 マテオ  西 ドリス
大関  東 ロサリオ 西 能見
関脇  東 髙橋聡  西 藤川
小結  東 上本   西 秋山

 東の正横綱は今場所もメッセンジャーだ。体力、技術、品性ともに優秀で、まさに全力士の模範になる存在。とくに先場所は不慮の骨折で途中休場したが、不屈の精神で場所終盤に再び土俵に戻った。天晴れであった。

 ロサリオは初土俵にして大関。これは「異例中の異例」であるが、過去にはグリーンウェルの例がある(平成9年場所。開始直後に廃業)。

 横綱経験者の藤川球児(モンゴル相撲に移籍後、地方相撲を経て復帰)が返り三役。秋山拓巳はうれしい新三役昇進となった。

なるか藤浪&西岡の「返り三役」

●平成三〇年場所 虎バカ番付(幕内上位)
前頭1 東 桑原   西 岩崎
前頭2 東 中谷   西 俊介
前頭3 東 藤浪   西 西岡
前頭4 東 大山   西 髙山
前頭5 東 梅野   西 岩貞
前頭6 東 小野   西 北條
前頭7 東 坂本   西 伊藤隼

 先場所活躍した桑原謙太朗、岩崎優、中谷将大、俊介、大山悠輔が活躍次第で三役入りが見込める幕内上位に番付を上げた。いずれも三役経験はなく、今場所は気合いが入る。

 その一方で、大関経験者の藤浪晋太郎と西岡剛がそろって前頭3枚目に下げたのは寂しい。しかし場所前の稽古では体にキレが戻っており、今場所は巻き返しが期待できそうだ。

 先場所、三役昇進を懸けた髙山俊、岩貞祐太、北條史也も番付を下げたが、いずれも並々ならぬ闘志で稽古に臨んでいる。

●平成三〇年場所 虎バカ番付(幕内下位)
前頭8 東 岩田   西 原口
前頭9 東 糸原   西 石崎
前頭10 東 モレノ  西 岡崎
前頭11 東 松田   西 青柳
前頭12 東 馬場   西 陽川
前頭13 東 森越   西 植田
前頭14 東 才木   西 江越
前頭15 東 荒木   西 島本

 注目はデビュー前のモレノ。実績のある先輩で外国人力士枠が埋まっていて、初土俵が踏めるかどうかはまだ微妙な情勢だが、稽古場での評判は上々。沖縄巡業の内容次第では、マテオ、ドリスの両大関から枠を食う可能性もある。

 同じく初土俵の馬場皐輔もいきなりの幕内スタート。先場所、十両で頭角を現した才木浩人は新入幕を果たした。

 2場所連続で十両優勝の陽川尚将は返り入幕。幕内でも暴れられるか。また、14枚目まで落ちて後がない江越大賀は、これまでの右四つ得意から「なまくら四つ」に型を変えようと稽古している。これが功を奏すかどうかが注目される。

横田と歳内よ、再び幕内の土俵に戻れ!

●平成三〇年場所 虎バカ番付(十両上位)
十両1 東 伊藤和  西 榎田
十両2 東 山本   西 横山
十両3 東 髙橋遥  西 今成
十両4 東 尾仲   西 山崎
十両5 東 熊谷   西 谷川
十両6 東 竹安   西 緒方
十両7 東 島田   西 長坂

 榎田大樹、今成亮太は、幕内での実績も十分だが、ここのところ十両上位に安住してしまっている。学生相撲出身の高橋遥人、熊谷敬宥、島田海吏らの評判も上々だけに、このままでは、十両の実力者たちが埋もれてしまいそうだ。若手に負けない奮起を期待したい。

●平成三〇年場所 虎バカ番付(十両下位と幕下上位)
十両8 東 板山   西 呂
十両9 東 守屋   西 小宮山
十両10 東 福永   西 望月
十両11 東 藤谷   西 小豆畑
十両12 東 西田   西 濱地
十両13 東 牧
幕下1 東 歳内   西 横田
幕下2 東 石井

 大いに期待されながら、腰椎にヘルニアを発症し、場所のほとんどを休場した望月惇志だが、手術も成功し再起を期している。持っている素質は素晴らしいのだから、もう一度ちゃんこと稽古でしっかり体を作り直せば、あっという間に新入幕もある。

 やはりケガや病気で幕下にまで番付を落とした歳内宏明と横田慎太郎には、いつもファンが声援を送っている。医学の進歩で力士寿命も伸びていることだから、焦らずじっくりやりなおせばいい。そして必ずまた幕の内で土俵せましと暴れ回ってほしい。感涙のインタビュー、待っているぞ。

※この駄文は創作です。阪神タイガースの選手たちが力士になる予定はありませんのでご安心ください。


鳴尾浜トラオ