「お金を借りて大会に出ていた」トップゴルファーも経験したアマ時代の苦悩

―勝選手がゴルフを始めたきっかけは?

母方の祖父が、ゴルフがすごく大好きで。一番近くにいた孫だったので、私にゴルフをさせて、将来孫と一緒にゴルフしたいっていう気持ちもあったんじゃないですかね。それに私もちょっとやってみようかなって思ったので。

―やってみて、どこが最初に面白いなって思いました?

音ですね。当たったときに、ドライバーとかすごくいい音がするじゃないですか。あとはゴルフ場にあるまつぼっくりが、めちゃでかいんですよ。それを集めて、工作に使うのが好きでした。(笑)大きなまつぼっくりって、町になくて。だからちょっと自慢できるんですよ。「見て見て、こんなの拾った」みたいな。(笑)それがすごく楽しくて。

―ゴルフ教室に通ったり、誰かコーチをつけて、っていうのをあまりされなかったそうですね。

最初2年間ぐらい通ったので、それでいいかなみたいな。一応軸として自分のスイングも出来ているので、そこから良い時にはこういう動きをして、悪い時はこういう動きをするっていうのが、大体わかってくる。そういうのがわかれば、自分で修正できるんじゃないかなあと。考える時間っていうのも必要だと思っていますし。考える時間の方が長いんですけど、でもそっちの方がなんか楽しい。生きている感じします。

―ゴルフという競技の「金銭面での負担が大きい」という特性上、ゴルフを小さな頃から続けるのは結構ハードルが高いと思うのですが。

私はあんまり感じなかったんですけど、周りから結構言われていました。友達とかからお金持ちだね、とか。それを言われるのが嫌で。両親は公務員で、そんなにすごいお金を持っていたわけでもないですし。ゴルフ好きの祖父にアマチュアのとき、ちょっとお金を借りてやっていたりもしたので。大会に出ると、やっぱりホテル代とか交通費とかそういうのが重なってしまうので。

―練習とかはどこでされていたのですか?

鹿児島高牧カントリークラブでよく練習していました。(他のゴルフ場だと)ジュニアがゴルフをするっていうのが、偏見っていうか、いやいやって言われることもあったんですけど。そこの会長様は温かく応援してくださり、いつも練習させて頂きました。今でも鹿児島に帰ったらそこに練習に行くんですけど、いつでも来ていいよって言ってくださって、本当に感謝しています。

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「思い出に残るような大会を作りたい」

―そういう協力がなかったらやっぱり難しいですよね。

やっぱり、1球いくらとかの練習場じゃないですか。なので、パンパン打てるわけでもないし。いろんな方が応援してくださっているおかげで、練習がすごくできたし。毎週土日はゴルフ場行って、芝から打って、ピンを攻めてっていうふうにできたので。そういう経験が小さいときにあったからこそ今があると思うので、支えてくださった方々にすごく感謝しています。

―当時感じた不満というか、もっとこうなったらいいのに、という部分はありましたか?

鹿児島だとあんまりジュニアの試合がなくて。本当に1,2試合ぐらいしかないので、もっと試合ができたらいいなとは思っていました。

―そんな中で今回、スポーツギフティングサービスを活用して、ファンの方と協力して、ジュニアの選手を中心とした「ゴルフ振興」を行っていくとうかがったのですが。

お世話になってきたゴルフ場にも、貢献できたらいいなって思っているので、そこでジュニアスクールを開いたりだとか。それこそ試合とか。セッティングとかから全部やってみたいです。ゴルフ場も、なるべくトーナメント仕様にしてもらって。プロの試合を回っているような気分でプレーしてほしい。

―どのジュニアの世代にもですかね?

どんな世代にも回ってもらいたい。私もそうだったんですけど、やっぱり中学生のときから、プロの試合に出始めて。それがあるから、プロの試合での試合勘とかもつかめているので。プロとまわらないけれども、セッティングとか、そういうのもちょっと厳しいところにきて、やってもらいたいなと思います。ちょっと変わった試合をやりたい。

―ゴルフの本当の良さがもっと伝わりそうですね。

そうですね。その子たちがプロになったときに、何かジュニアの時こういうピンボジあったなあとか、思い出に残るような大会に、できたらいいなと。

―そこで育った子たちがプロの本当に第一線で戦うなんて日が来たら。

それはもう楽しみで仕方ないですよね。ジュニアのときに一緒に回った子たちとか、(勝選手がプロになってから)アマチュアとして一緒に回った子たちがプロに上がってきても覚えているので。その時の話をしながら、回ったりとかして。今でもそういう経験をして、楽しい思いをしているので。年は離れているかもしれない。(笑)そこまでいられるかどうかわからないんですけど、私が。でも、いられたとしたら、楽しく思い出を語れるんじゃないかなと思って。楽しみです。

勝みなみ選手の活動を応援しよう!

勝みなみ選手が、今話題の「投げ銭」サービスに相当する「Unlim」を導入して、ファンから支援金を募るそうだ。集まった支援金は、文中でも言及のあった、ゴルフ振興活動において活用される。

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VictorySportsNews編集部