2017年1月29日、スポーツクライミング「第12回ボルダリングジャパンカップ2017」の男女決勝戦が代々木第二体育館で行われ、女子は14歳の伊藤ふたば、男子は藤井快が史上初の2連覇を飾った。

 女子はW杯で4度の総合優勝を誇る野口啓代や昨年の世界選手権で銀メダルに輝いた野中生萌ら実力者を抑えて、14歳9ヶ月という史上最年少で伊藤ふたばが初優勝に輝いた。圧巻だったのは第3課題。女王・野口が完登(クリア)できなかった難所を3アテンプトで見事クリア。「緊張せずに自分らしい登りができたのが大きかった」と初優勝の喜びを語った。

 男子は昨年王者の藤井が、大会史上初となる2連覇を果たした。注目は第4課題だった。第3課題までで2位につけていた藤井は「登れなかったら勝てなかった」と、第4課題で他の選手が完登できない中、1撃(回目)でクリアすると雄叫びをあげ、会場を沸かせた。「去年のW杯で勝てなかったので、ジャパンカップは絶対に勝ちたいという思いがあった」と、昨年の無念を初の連覇という形で晴らした。

 昨年の世界選手権で日本人初優勝を成し遂げたことで注目を集めた楢崎智亜だったが、まさかの準決勝敗退。「ここまで対応できないとは思わなかった」と、苦手な課題が多く、対応し切れなかったことを今大会の敗因に挙げた。

【用語解説】
[ボルダリング]
2020年東京五輪新種目に追加されたスポーツクライミングの3種目(ボルダリング・リード・スピード)の一つ。高さ5メートル以下の壁に複数の課題(コース)が設定され、その課題を制限時間内にいくつ登れたかを競う。昨年の世界選手権で楢崎が初優勝し、野口は4度のW杯年間優勝に輝くなど、日本人の得意種目とされている。


VictorySportsNews編集部