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野球
池田純コラム:指導者に対する明瞭な評価制度を。球界に求められる「普通の」人事
今野球の仕事に関わっているが、野球界の方々と指導者ライセンスの話をすると、日本サッカーのライセンス制度に対してかなりのリスペクトを感じる。ただ、制度設計と取り組んだ時期に関しては素晴らしいと思うが、それが世界の強豪国、育成及び普及に成功した国々のシステムと比較すると十分ではないと思う。ドイツのブンデスリーガでは30代の監督が6人もいる。彼らは、トップトップのプレーヤー経験が無くてもその理論とコミュニケーション能力で他を圧倒する”ラップトップ監督”と呼ばれている。テクノロジーを駆使する、若い監督を育てる仕組みは現在のライセンス制度には見当たらない。選手を育てるのは指導者だ。指導者がもっと変わる、もっと成長することによって選手も、そのチームも一緒に成長するはずだ。野球、サッカー、その他の競技の専門技術はさておき、マネジメント、分析能力という分野を絞って共通した指導者養成コースが出来ても良いと思う。 -
大学スポーツ
池田純コラム:明大スポーツ改革論。“宝物”のコンテンツを生かすため、いまこそ第一歩を踏み出そう
まず、こうした取り組みに真っ向から取り組んでいる池田さんに敬意を表したいと思います。これだけ伝統が重い「体育会」の中でも、歴史が古い明治大学に、そのチャンスを感じ、池田さんのようなスポーツビジネスのプロとして実績を挙げられておられる方が、その可能性を実現させる為に動いて頂いていることに心から勇気をもらいます。 私自身も、「体育会」のみならず、「明治大学運動部」出身者として、指摘されている部分は凄く同感じます。今は、物凄く「変化」を起こすチャンスでもあり、この先、次世代へ継承する意味でも、その「変化」を起こすタイミングとしては、「今」だと感じます。 ここで重要ですのは、池田さんも書かれているように、「大学は教授の世界です。」と思われてしまう「教授主導」の世界が何をもたらし、何を起こしているかです。大学自体は、「教育」を受ける場です。「教育」そのものは、決して教室だけで学ぶものでなく、「大学生活」そのものを通じて学ぶ場のはずです。よって、その第一現場は授業やゼミであり、そこで学生が教授と学問を追求することは大事だと思います。よって、「大学は教授の世界です。」は否定しません。求めたいのは、スポーツも「教育」の一部であり、その価値をより活用することによって、「教育」における学べることのバリエーションを増やすことです。教室では得れないものをもたらす要素を持っており、それを活用しながら、より教育の現場でも活性化することをより協議する場が必要かと思います。 近年、少子化が深刻になり、学生数の減少も話題になっております。明治大学は、いち早く、この問題に直面し、国際化の動きを取り、今では外国からの評判も非常に高いと聞いております。こうした状況においても、例えば、スポーツがもたらす価値は、異文化が集まると必ず起きる文化摩擦であったり、適応能力の要求です。これらをよりスムーズに緩和してくれるものは、実はスポーツだったりします。その理由は、大学スポーツを応援しに行く場合、応援する理由は「自分の知り合い」や「自分の大学」を応援するからです。そこで、同じ目的をもって行っている団体と触れ合い、その輪が広がることで、「愛校心」が共有でき、この共有要素そのものが、文化を跨ぐ力を持っております。 このように、スポーツには、教育と連動出来る要素を多々秘めているからこそ、教育の現場で起きている様々な課題を抽出し、少しでも相乗効果を生める仕組み創りが出来ることを期待します。 過去から大いに学び、より良い未来を創れることを楽しみにしております。1 Comment
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野球
池田純コラム:大谷翔平はメジャーでも二刀流を貫けるか?高い合理主義の壁
『「無事是名馬」、ケガをしないということは選手にとっても球団にとっても、非常に重要な要素』とありますが、これを球団社長をされていた池田さんが言葉にされていることは非常に重要なことだと思います。 プロ野球でもJリーグでも近年ケガが非常に多く、だからこそケガをしないことには大きな価値が生まれています。 大半のケガは、必ず防ぐことができます。 ケガを繰り返すということは、その選手の動きの中にケガを起こす因子がまだ残ったまま復帰していることを意味しています。 筋力や可動域を中心とした「復帰の基準」を再考する必要があるのではないでしょうか。3 Comments
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野球
池田純コラム:狙うべきは、「お客さんの期待をちょっと超えるもの」。
さすがだなと思います。「お客さんの期待をちょっと越えるもの」正にそうだと思います。でもこの基準というか考え方が難しい。だから経営者の能力差が出るんだと思います。現場をやった人間が共感できる一言。くどいけどそれが難しい。それは教科書にも書いてないし、試験にも出てこない。採点できる人も少ない。3 Comments
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野球
池田純コラム:今の野球界には、監督にふさわしい人材が少ない
日本のプロ野球における監督の業務分掌は、ヒトや状況によって、大きく変わるので、難しいのです。MLBのように、編成・育成は背広組の仕事(もっとも、必ずしもそれはGMの権限とは限らず、編成担当役員がいたり、実質的にはオーナーがチーム人事に非常に強い影響を及ぼしたり、ここは一筋縄ではいかない)で、監督の仕事は、与えられた戦力を生かして勝利を得ることと定まっていれば、人選はよりシンプルなのですが・・・日本では、やはり、監督はチームの「顔」ですから、色々と業務が拡大していきます。たとえば、選手の獲得(新人、FA、トレード、外国人、etc)においても、実際は、大きく関わっていなくても、メディアは監督に説明を求めます。もっとも、日本の場合、背広組が、野球を知らないというケースも少なからずあり、メディアやファンからすると、素人から野球について解説をされてもなあ、ということもあるでしょう。4 Comments
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野球
池田純コラム:清宮幸太郎は、高卒即プロ入りすべきか?
侍ジャパン東京五輪はアマチュア枠に大賛成です!私自身、今年のWBCに帯同させてもらい、いろいろな指導者(解説者)、現役選手と話をさせていただきました。『オリンピックはアマチュアに返すべき』という意見が多いのが事実です。WBCも大会として認知も高まってきましたし、実際オリンピックにはメジャーの選手は出ませんからね。2 Comments
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野球
池田純コラム:ダルビッシュが見せたナーバスな「目」。日米トレード事情
5年間務めた横浜DeNAベイスターズ球団社長の職を辞し、「定職」から離れた立場で様々なスポーツに関わっている池田純氏。ベイスターズの社長職にある頃から、池田氏の胸にあったのはスポーツの将来に対する危機感でした。「常識の越え方」第四回のテーマは、ダルビッシュ有選手の移籍を題材に「日米におけるトレードの捉え方の違い」を取り上げます。
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野球
池田純コラム:オールスターは「顧客主義」になっているか? 根本から問うべき本来の価値
オールスターの主催や運営を選手会に移管することも一案かと思います。MLBは選手会が運営していると聞きました。その利益を年金の財源にしているのでしょうが、そのメリットは計り知れません。 ケガ等による早期引退後の生活の安定、セカンドキャリアの為の大学進学という遠回り選択の回避などなど。そして何よりもオールスターは自分たちのイベントという想いが選手達自身のモチベーションアップに繋がり様々な企画が出てファンも喜ぶ。まさに好循環です。 日本の場合、NPBが利権を手放すことは簡単では無いのかもしれません。ですが、今は侍ジャパンの日本代表という新たな財源もあります。現実的な議論が出来るタイミングやっと来たのではないでしょうか。1 Comment
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ラグビー
池田純コラム:ブームで終わらせない準備はできているか? 強まる2020年後の懸念
5年間務めた横浜DeNAベイスターズ球団社長の職を辞し、「定職」から離れた立場で様々なスポーツに関わっている池田純氏。ベイスターズの社長職にある頃から、池田氏の胸にあったのはスポーツの将来に対する危機感でした。「常識の越え方」第二回のテーマは「ラグビーW杯後、東京五輪後」です。
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オールスポーツ
池田純コラム:日本のプロスポーツには「経営者」がいない
5年間務めた横浜DeNAベイスターズ球団社長の職を辞し、「定職」から離れた立場で様々なスポーツに関わっている池田純氏。ベイスターズの社長職にある頃から、池田氏の胸にあったのはスポーツの将来に対する危機感でした。「常識の越え方」第一回となる今回のテーマは「経営者問題」です。
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