#川井梨紗子
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レスリング
ポスト吉田沙保里の現在地
オリンピックでのレスリングといえば、次々と金メダルをとる笑顔の女子レスリング選手たちが思い出される。なかでもアテネ、北京、ロンドンの三大会で金メダル、4年前のリオデジャネイロで銀メダルを獲得したのを最後に現役引退した吉田沙保里の顔を多くの人が思い浮かべるだろう。女子が五輪の正式種目になったときから活躍を続けた吉田の存在は日本の女子レスリングにとって欠かせないものだったが、どんな選手もいつかは引退のときがくる。吉田が世界一の記録を伸ばし、五輪での活躍を重ねるほど、彼女の後を継ぐもの、「ポスト吉田」が登場するのを期待されるようになっていった。
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レスリング
「無観客」にする必要がない日本レスリング界の未来は明るくない
東京オリンピックまで150日を切り、続々と日本代表選手が内定、決定しはじめている。日本オリンピック委員会(JOC)によるメダル数の目標は金メダル30個という大看板を下ろすことなく、各競技の直近の興隆を鑑みての修正を加えずに本番に挑もうとしている。頼みの綱の1つがこれまでメダル獲得の軸を担ってきたレスリングだ。64年東京オリンピックでは5人の金メダリストを輩出、80年代以降にその量産ペースは落ちたが、04年アテネ五輪から女子が採用されると息を吹き返した老舗競技。ただし、56年後の東京で、果たして期待されるほどの活躍はできるのか。いま、競技団体が抱える問題点を突く。
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オリンピック
VICTORY編集部総力取材 金メダルを獲るのはこの選手だ!〔第3回〕
東京オリンピックで金メダルを獲る選手は誰か?本番まで半年を切って誰もが知りたいその疑問に答えるべく始まった連載の第3回目は日本のお家芸のひとつレスリングを検証する。 日本がこれまで獲得した夏のオリンピックの金メダルは142個。そのうちの実に87パーセントにあたる124個を柔道・レスリング・体操・競泳のたった4つの競技で獲得しているのをご存知だろうか。そのうち32個を獲得したのがレスリングで、競技別では柔道に次ぐ堂々の2位に位置する。今回は女子の金メダル候補から紹介するが、打ち出の小槌のように金メダルを量産してきた種目に異変の予感だ。
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レスリング
伊調vs川井にみる女子レスリング界の健全な新陳代謝
1対1で対戦する格闘技は往々にして独特の緊迫感に包まれるが、ここまでの見応えのある闘いは最近では珍しい。レスリング女子57㌔級。35歳の伊調馨(ALSOK)と24歳の川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)による世界選手権(9月・カザフスタン)代表の座を懸けた激闘である。世界選手権は東京五輪予選を兼ねるだけにいつも以上に熱を帯びている。2人の五輪女王による争いは高いレベルでの切磋琢磨であり、スポーツの発展や活性化に不可欠な「健全な新陳代謝」の要素もちりばめられている。