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新指揮官のフリオ・ラマスが合流し強化合宿中の男子日本代表。今週末のウルグアイ戦は「アジアカップの準備」
富樫勇樹「監督のやりたいことを体現したい」 男子日本代表は8月8日に開幕するアジアカップに向け、第7次強化合宿を行っている。メディア向けに公開された本日の練習では、フリオ・ラマス新ヘッドコーチの下、選手たちは密度の濃い時間を過ごしていた。 オフェンスの基本的な動きの確認を行った練習では、ラマスコーチが『スペーシング』という言葉を連呼し、ディフェンスをつけずスペースを広く使う意識を浸透させた。 その後に行ったハーフコートの5対5では「ペイントにアタックしないと、外でパスが回るだけでアドバンテージが生まれない」とゴールに向かう動きが大事と説いた。 練習の最後は1ターン交代のオールコートの5対5を実施。ゾーンディフェンスがうまくハマったり良いプレーをした際には、ラマスコーチは「ナイス」と声をかけ選手を鼓舞した。 明日行われるウルグアイとの親善試合についてラマスコーチは「アジアカップのための準備」と位置付けし、「どの試合も勝つ気持ちは大事。できるだけ良いゲームをして、勝てるように持っていきたい」と話した。 また他のチームの真似をするのではなく、日本流のバスケットスタイルの構築が必要と話すラマスコーチは、選手を「バスケットIQが高く礼儀正しい」と評価し、「速いプレーをするときは速いプレーを、ストップするときはちゃんとストップするなど、頭を使ったプレーをしたい」とチームが目指す方向性を語った。 富樫勇樹は「ラマスコーチの合流からまだ日が浅く、完成度はまだまだ」と語るも、「アジアカップ、その先のワールドカップ予選も控えているので、監督のやりたいことをアジアカップまでには体現したい」と意気込んだ。 今日の練習ではチーム全体で声が出ていて、これまで以上に雰囲気の良さを感じた。比江島慎はそうした雰囲気について「怒るときは怒ったり、褒めるときはちゃんと褒めるなど、モチベーションの上げ方もうまいですしやりやすい」とラマスコーチの人柄を強調した。 母校である青山学院記念館で行われる明日の試合について、「やっぱりモチベーションは上がります」と比江島。「南米のチームとやれるのは貴重な体験ですし、自分の持ち味を出したい」と語った。 ラマスコーチが合流し、アジアカップに向け強化が進む男子日本代表。ラマス新体制の船出となる明日のウルグアイ戦は、青山学院記念館で15時試合開始となる。
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「千葉のバスケスタイルにふさわしい選手」トニー・ガフニー獲得でラストピースが埋まった千葉ジェッツ
「アグレッシブなディフェンスから走る」を体現する選手 千葉ジェッツがトニー・ガフニーとの契約合意を発表した。 アメリカ出身のガフニーはボストン大学、マサチューセッツ大学を経て、イスラエルでキャリアをスタート。その後、4カ国でプレーし昨年はドイツのブンデスリーグでプレーしていた。 206cm93kgの体格を誇るガフニーはディフェンスに定評のあるパワーフォワードで、各国リーグで最優秀守備選手賞やオールディフェンスチームに選出された経歴を持つ。また2012年にはブンデスリーガのオールスターに選出され、2015年にはスーパーリーグ(イスラエル)でシックスマン・オブ・ザ・イヤーを受賞している。 千葉の島田慎二代表は「ネームバリューだけに捉われず『アグレッシブなディフェンスから走る』という、千葉ジェッツのバスケスタイルにふさわしい選手、共に優勝を目指せる選手を真剣に選びました」とガフニー獲得の意図を説明。 ガフニーは公式ホームページでこうコメントしている。 「皆さんこんにちは!トニー・ガフニーです。皆さんに、日本でプレーすることにものすごく興奮していることを伝えたくてメッセージを送ります。ファンやクラブの素晴らしさをたくさん聞いています。素晴らしいシーズンになること、それに、多くの勝利を重ねられることを楽しみにしています!Go Jets!」 守護神として活躍したヒルトン・アームストロング、ベスト6thマンを受賞したタイラー・ストーンがチームを去ったが、シーホース三河からギャビン・エドワーズを獲得し、今回ガフニーを獲得したことで充実した戦力が整った。 強力なインサイド陣を形成することができ、島田代表は「今シーズンのチームはこれで完成しました。昨シーズンよりもさらにスピーディーでハイエナジーなバスケットで魅せる、新生・千葉ジェッツふなばしにどうぞご期待ください」と来シーズンに自信をのぞかせた。 日本代表の富樫勇樹、小野龍猛など日本人選手の主力はすべて残留。どのクラブからも恐れられた「アグレッシブなディフェンスから走る」スタイルの継続と進化を目指す。さらに激戦区となった東地区での戦いが待ち受ける千葉だが、優勝への準備は整ったようだ。
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ツーガードのスピードで韓国を振り切りアジアカップ2連勝、吉田亜沙美は「日本のスタイル」に自信
勝利のカギとなったのはツーガード起用 バンガロール(インド)で行われているアジアカップ、日本代表は昨日の韓国戦にも勝利して開幕2連勝と好スタートを切った。立ち上がりこそ相手の先行を許したものの、すぐに立て直して第2クォーターに堅守速攻のバスケットを展開。第2クォーターで26-7と韓国を圧倒し、後半はプレータイムをシェアしながら余力を残して勝ち切った。 勝利のカギとなったのは、第1クォーター途中から使ったツーガード。最初は吉田亜沙美と町田瑠唯の、第2クォーターからは町田と藤岡麻菜美の2ガードが攻守にエネルギーを注入し、劣勢を覆した。ヘッドコーチのトム・ホーバスはツーガード起用についてこう振り返る。「ペースが遅かったので、ポイントガードが2人いるとペースがすごく速くなる。あの2人はディフェンスも良いから、相手の11番は第1クォーターで10点、第2クォーターで2点を入れたけど、あれは2ガードがいなかったから。ルイ(町田)とネオ(藤岡麻菜美)がいた時に彼女は0点だった。すごく良かった」 もっとも、すべてが良かったわけではない。終盤には楽勝ムードの油断からミスが出て、相手の反撃を浴びた。ホーバスHCは言う。「相手がオフェンスリバウンドを何回も取って、それは良くない。相手が何回も取ってから遅いペースになって、ハーフコートゲームになる。それはウチのゲームじゃない」とバッサリ。 結局、セカンドユニットでゲームを締められず、終盤にスタメンをコートに戻したのを「あれは絶対やりたくなかった」と振り返る。ただ、厳しいことを言うのもセカンドユニットの若手にも信頼を寄せているからこそ。「ちゃんとやったら良いバスケットをやってるよ、あの子たちも。ただ波が大きすぎる」とホーバスHCは言う。 強豪オーストラリア戦も「ディフェンスから走って」 キャプテンの吉田は出だしの重さを課題として挙げた。「悪い中でもみんながディフェンス頑張って踏ん張って自分たちの流れにしたっていうことが、最大で20点開いた結果だと思います。でもそれを出だしからやっていかないと明日は追い付けないので、自分たちのバスケットが最初から出るように、私もプッシュするし、選手の気持ちを上げていけるようにやっていかなきゃいけない」 「トムも言ってたけど、自分たちの流れが来てる時はディフェンスがうまくいって走れている。自分たちのペースになっています。それもオリンピックの時に私たちも確信した部分があって、日本はそれがないとどうしてもセットプレーでは点が取れないので、走ることが大事です。やっぱりディフェンスからリバウンドを取って走る、これが日本のスタイルだと思うので、明日はそれを40分間できるようにやっていければ」 グループリーグ第3戦の相手はオーストラリア。日本、中国と並ぶ優勝候補の一角とここで当たることになる。ビッグゲームを前にホーバスHCはこう語る。「まだスカウティングをやってないけど、ポイントはいつもと一緒。ディフェンスから走って、そこからウチのペースに」 日本のバスケットが展開できれば、オーストラリアが相手でも十分に勝算はある。ただ、そうは言ってもリオ五輪では勝てなかった相手。アジアに入って来た強豪相手に日本がどんな戦いを見せられるか。アジアカップ3戦目のオーストラリア戦は、本日16時45分(日本時間)試合開始となる。
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マジック・ジョンソンがロンゾ・ボールにプレッシャーをかける理由「偉大な選手は重圧など朝飯代わりにたいらげる」
偉大な選手と見込んだからこそのジョンソン流『英才教育』 ロンゾ・ボールがレイカーズの入団会見に出席した際、球団社長のマジック・ジョンソンは「お願いだから私の球団記録を一つくらいは残しておいてくれよ」と、メディアの前でボールに話しかけた。 まだNBAでの経験もない新人に対し、異例とも言うべき称賛。だがマジックは、これが単なるリップサービスではなく、明確な意図があっての行動だったことを明かしている。 『NBCLA』によれば、マジックは「偉大な選手はプレッシャーを欲しがるものなんだ」と語った。 「ロンゾは生まれた時からこの街に住んでいる。高校では州の王者にもなった。彼がUCLAに進学した時も周りから相当なプレッシャーをかけられたようだが、彼は結果を残し、地元の大好きなNBAチームのユニフォームを着てプレーする機会を手にした。このようなプレッシャーは付いて回るが、偉大な選手は重圧など朝飯代わりにたいらげる。私が現役の頃もプレッシャーはあった。私は全体1位指名選手だったが、そんなことなど気にも留めなかった。自分のプレーをするだけと思ったものさ。ロンゾも同じように彼のプレーをするだろう。偉大な選手とはそういうものだ」 ジョンソンの予見は的中。ボールはラスベガスでのサマーリーグで2度のトリプル・ダブルを達成したほか、平均16.3得点、大会最多の9.3アシスト、7.7リバウンド、2.5スティールを記録し、レイカーズ史上初のサマーリーグMVP受賞者となった。 歯に衣着せぬ言動で注目を集める父ラバー・ボールの影響もあり、ボールへの注目度は日に日に増している。そんな状況の中でロンゾがサマーリーグ同様のインパクトを1年目から見せることができれば、『ヤング・レイカーズ』の未来は明るい。ロンゾ・ボールはプレッシャーを力に変えることのできる『規格外の選手』なのかもしれない。 Lonzo Ball records his second triple-double of #NBASummer! 16p/12a/10r/5s/2b pic.twitter.com/pYm8yiztgW
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日本代表の新たな指揮官フリオ・ラマスが会見「日本のスタイルを求めていく」
昨日に来日、羽田空港から代表合宿へと直行 男子日本代表の新ヘッドコーチ、フリオ・ラマスが就任会見を行った。ラマスは昨日、アルゼンチンから日本に到着。昨日は羽田空港からナショナルトレーニングセンターでの代表合宿に直行したほど。初日から精力的に活動している。 「日本代表で仕事できることがようやく実現し、うれしく思っています」と代表ヘッドコーチとしての第一声を発したラマスは、「目標は2020年の東京オリンピック」と明言した後で、「日本のスタイルを求めていく。他のチームのコピーは求めていないと方針を語った。 「FIBAインターナショナルのスタイルにも取り組んでいきたいが最終的には日本のバスケットボールをやるのが目標。日本の選手がやりやすいスタイルをやっていく」と、日本のスタイルを築き上げていくことを強調。「私の知る限り、優勝したチームをコピーして取り込んでいくのでは成功する確率が低い。独自のスタイルを持ったチームは強い」とその理由を語った。 そしてラマスは、「選手が代表チームに『すべてを尽くす』と考えることが必要」と説くが、その点について不安はないようだ。「2020年のオリンピックが自国開催ということは、選手にとってすごく大きなモチベーションになる。自国開催のオリンピックをうれしいと思わない選手はいない」と語る。 もう一つラマスが挙げたのは、今の日本のFIBAランキングより上位のチームと対戦して経験を積むこと。7月29日と30日に青学記念館で対戦するウルグアイはFIBA26位。8月のアジアカップでも上位国との対戦が続く。 サン・ロレンソを率いてアルゼンチンリーグを制して日本へとやって来たラマス。新たな指揮官が日本代表にどのような変化をもたらすのか、楽しみでならない。
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リーグ屈指のディフェンダーが『最も大変な相手』と恐れるカイリー・アービング
ファンからの質問に「カイリー・アービング」と即答 セルティックスからピストンズにトレードされたエイブリー・ブラッドリーは、NBA現役選手の中でも屈指のディフェンダーとして知られている。 ピストンズに移籍後、チーム公式Twiterアカウント上で実施されたファンとのQ&Aセッションで「最もガードするのが難しい選手は?」という質問に対し、ブラッドリーは「カイリー・アービング。他の選手とは比べものにならない」と即答した。 ブラッドリーがこう言うのも無理はない。今年の5月に行なわれた東プレーオフ決勝でキャバリアーズと対戦した際、アービングはシリーズ5試合で平均25.8得点を記録。圧巻だったのは第4戦のパフォーマンスで、マークについたブラッドリーを翻弄し続け、42得点をマークした。 Watch the @cavs bench lose their mind on the @budlight #FamCam after Kyrie Irving dices up three Celtics defenders! ?? pic.twitter.com/EcSpfuIRCv そのスピードはNBAでもトップクラスで、守る側がアービングとの距離を詰めなければ3ポイントシュートを決められ、ぴったりマークに付けば今度はドライブで振り切られてレイアップ、あるいはミッドレンジからのプルアップを簡単に放り込まれてしまうのだから、勢いに乗った時は『無双』となる。 キャブズと同じセントラル・ディビジョンに所属するピストンズにブラッドリーが移籍したことで、両者のマッチアップは年に4試合で実現する。昨シーズンの借りを新天地で返せるかどうか、ブラッドリーもキャブズとの対戦を心待ちにしているに違いない。
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オリンピック出場権だけじゃない!2年目のBリーグに注目すべき理由
オリンピックのバスケットボール競技に開催国枠は『あります』。ただ、その開催国枠を使うかどうかはFIBAのジャッジに委ねられているのが特殊な点。男女それぞれ12カ国しか出場できないところに、実力もやる気もない国を無条件では入れられない、というのが理由です。 日本の現状を見ると、先日のアジアカップで世界4位のオーストラリアを破って優勝した女子日本代表は、普通に自力で出場権を勝ち取るでしょうが、万が一に取り逃したとしてもFIBAとしては「開催国で入れてあげてもいいよ」な雰囲気になるはず。今の女子日本代表には「12カ国」に加わる実績が十分あります。 ところが世界48位の男子はそうもいかず。『実力』を付けるのはもちろん、強化に本腰を入れているという『やる気』のアピールも必要です。「12カ国の出場枠」を自力で勝ち取るか、あるいは「開催国で入れてあげてもいいかな」と思わせるほどのアピールをするか。そういう勝負です。 いずれにしても、ここから2020年までは、バスケ界にとっては千載一遇のチャンス。生かすも殺すも「日本のバスケットボールファミリー」次第です。 -
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ポール・ジョージ「サンダーで素晴らしいシーズンを送れたら、出ていくのは愚か」
「自分にとって大事なのは優勝できるかどうか」 ペイサーズ首脳陣に来オフ移籍の意思を示したポール・ジョージは、それが今夏のトレードを意味することを理解していた。彼はトレードをこう振り返る。 「サンダーは自分の考えになかったから驚いた。トレードの噂に出ていた4チームか5チームのどこかになるのかな、くらいに思っていたんだ。それがサンダーだと知って驚くと同時に、うれしくも思ったんだ」と語った。 シーズンMVPのラッセル・ウェストブルックとのデュオも気になるところだが、メディアとファンが注目するのは、フリーエージェントとなる1年後の決断について。噂ではレイカーズ入りの気持ちを固めているとされるが、『Sports Illustrated』の取材に対しては「大げさに報じられているよ」と釘を刺す。 「自分にとって大事なのは優勝できるかどうかということ。優れたシステム、優れたチームでプレーしたい。優勝するチャンスが欲しいんだ」 そこにはサンダー残留の可能性も含まれている。「もしサンダーで素晴らしいシーズンを送れて、西カンファレンス決勝に進出するとか、もしくはウォリアーズを相手にアップセットを決めるとか、ものすごいことを成し遂げられたら、そのチームから出ていくのは愚かだと思うよ」 そして、元サンダーのエースだったケビン・デュラントから、同チームの魅力についてアドバイスを受けたことも明かした。 「KDからは、『サンダーは、他のチームが与えられないものを与えてくれる。ファンの皆も素晴らしいし、試合に対する準備もしっかりしていて、素晴らしい施設も揃っている。それにチームシェフが作る食事も素晴らしいんだ』と言われたよ。彼に言わせれば、サンダーはあらゆる面において一流の球団ということだった」 デュラントからアドバイスを受けていたのは驚きだったが、サンダー残留の可能性もあながちゼロではなさそうだ。
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富山グラウジーズのエース城宝匡史が新潟アルビレックスBBへ、弱点だった日本人選手の得点力不足解消の決定打に
「皆さんとともにさらなる高みへ」 新潟アルビレックスBBが城宝匡史の加入を発表した。 城宝は2005年大阪エヴェッサでプロキャリアをスタート。その後、東京アパッチ、滋賀レイクスターズを経て、2011年から昨シーズンまでの6年間を富山でプレーした。 強引なまでに強気で仕掛けるリングへのアタックから、フィニッシュでは強引さのない美しいフォームで高精度のシュートを放つオフェンスが魅力の城宝。2013年シーズンにはbjリーグで日本人初のレギュラーシーズンMVPを受賞するなど、エースとして富山を牽引した。34歳となりベテランと呼ばれる年齢に差し掛かっているが、昨シーズンは平均13.4得点を記録。また勝負どころでのハートの強さもあり、記録だけでなく記憶に残るプレーヤーでもある。 城宝はクラブを通じて、このようにコメントしている。 「新潟アルビレックスBBの皆さんとともにさらなる高みへ登って行きたいという願いと、自分がこれからもっともっと成長していくためにも、熟考を重ねて今回移籍することを決めさせていただきました。対戦相手として新潟ブースターさんの「熱」は今まで物凄く感じていました。それが味方になったときどう感じることが出来るのか、自分自身シーズン開幕をすごく楽しみにしています。新潟の勝利のために精一杯尽くすことを誓います!」 クラブは城宝獲得の意図をこのように説明している。「Bリーグ2年目を戦うにあたり、日本人選手の得点力のアップが課題でありましたが、正確無比のシュート力と、体の強さを活かしてのカットイン、虚を突くアシストと、攻撃面では3拍子揃った選手であり、チャンピオンシップを目指す上で相当な戦力補強となりました」 新潟は昨シーズン、得点ランキング2位のダバンテ・ガードナー、同4位のクリント・チャップマンのオフェンス力を強調し、勝ち星が先行。だが次第に2人への依存が強まり、周りの得点が伸びなくなって中盤に失速し、チャンピオンシップ出場を逃した。 またチーム最年長の五十嵐圭のプレータイムが30分を超える状況は、選手層に問題を抱えていることを意味する。また五十嵐は以前、「得点を抑えられた時にディフェンスで我慢ができず、失点が増えてしまった試合が多かった」とディフェンスを課題に挙げていた。 日本人の得点力不足、選手層に関しても、城宝はその弱点を埋めることができ、理にかなった補強となった。 まだロスターが埋まっていないが、現時点でチームの平均年齢は30歳を超え、リーグで一番高い。今後フレッシュな選手の獲得に動くのか、それともベテランの選手で固めて、いぶし銀なチーム作りを行うのか。チームの方向性にも注目したい。
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ウォリアーズGMがニック・ヤングのニックネームに「Swaggy Pとは呼ばない」
ヤングは「神から授かった名前」と主張するも…… 今オフの移籍におけるサプライズの一つが、ニック・ヤングのウォリアーズ入りだ。 昨シーズンまでレイカーズでプレーしたヤングは、以前からウォリアーズファンを批判する発言をしていたからだ。 しかし、3ポイントシューターとしての地位を築いたヤングの加入は、ウォリアーズにとって大きい。セカンドユニットでの起用になるだろうが、強力な『飛び道具』が加わったことになる。 そのヤングは、数年前から『Swaggy P』という愛称でファン、メディアの間で呼ばれている。このニックネームについて、ウォリアーズGMのボブ・マイヤーズは、ラジオ番組『95.7 The Game』に出演した際「ウチでは彼を『Swaggy P』とは呼ばない。彼の名前はニック・ヤングだ」と語った。 名門ウォリアーズの雰囲気に合わないと判断したのか、この発言の意図は分かっていない。しかし、マイヤーズの発言を聞いたヤングは「ニックネームは止められないよ」と笑顔で答えた。 「ファンの皆も気に入ってくれているから、止められないよ。きっとファンも自分のことをニックとは呼ばないだろうし、このままでいるかな。ただ、うまい方法を見つけるさ。このチームには『スプラッシュ・ブラザーズ』もいるわけだし。格好良い名前だよね」 ヤングは以前、この愛称の由来について「神様から授かったもの」と説明。「夢の中で、神様が自分に話しかけてきて、この名前をくれた。思わず『神様、良い名前だね。使わせてもらうよ』と言ったんだ。それからは自分のことを『Swaggy P』と呼んでいる」 Me and God tight like that Nick Youngさん(@swaggyp1)がシェアした投稿 - 2014 5月 15 4:41午後 PDT 選手によっては、登録名や愛称が変わることでプレーに影響が出る場合もある。ヤングの言う通り、『スプラッシュ・ブラザーズ』が良ければ、『Swaggy P』だって問題ないという解釈もできるだろう。ひょっとすると、「まずは実力を証明してから主張しろ」というマイヤーズなりの檄だったのかもしれない。
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日本代表キャプテンとして完全復活の吉田亜沙美「去年のチームを超えるチームに」
「ガンガン攻めて自分をアピールしてもらいたい」 ウイングアリーナ刈谷で行われたオランダとの国際強化試合。日本代表は格下のオランダに何もさせない圧倒ぶりで、連日ともに快勝した。7月23日の開幕が迫るアジアカップに向けて、結果だけでなく内容も問われる試合、結果も内容も満点に近い回答を出したかに見えるが、キャプテンの吉田亜沙美は「オフェンスでもディフェンスでもミスがあって完璧にはできていない」と言い、2戦目に至っては「悪くないけどスッキリしない」という言葉で表現した。 チームは大幅に若返った。リオ五輪のスターター5人のうち、WNBAシアトルストームでプレーする渡嘉敷来夢が招集されず、栗原三佳と本川紗奈生はケガで外れ、今回のアジアカップに参戦するのは吉田と大﨑佑圭のみ。招集12選手の約半数がリオには参加していない若手だ。 チームの若返りについて吉田はこう語る。「若い選手はこれからすごく良い経験ができると思います。アジアカップに向けてという意味では、初めての選手だからこそ武器になることがあります。私のプレーは相手に伝わっていますが、初めての選手はデータがないのでプラスになる。ガンガン攻めて自分をアピールしてもらいたいし、若くして世界で戦う経験を積むことができるのはうらやましいです」 「オリンピックでメダルを取るために」という意識 渡嘉敷の招集が見送られたのは、吉田にとってもサプライズだったに違いないが、そこに動揺はない。「仕方ないというか、受け入れるしかないので」と吉田は淡々と語る。「トムがこの12人を選んだからには、このメンバーがアジアカップ優勝に必要なんだと思っています」 アジアを連覇している日本にとって、目標は目標以外にない。しかし、今回からオーストラリアがアジアに参戦する。昨年、リオ五輪を前にした国際親善試合で招き、リオ本大会でも戦い、『世界との差』を痛感させられた相手だ。 アジア3連覇の前に立ちはだかる難敵であることは間違いないのだが、それでも吉田はオーストラリアのアジアカップ参戦を「楽しみなんです」とポジティブに受け入れている。「ワールドカップにしろオリンピックにしろ必ず当たる相手。その相手とアジアカップで対戦できるのは貴重な経験になります。オーストラリアや中国といった高さのある相手に、一番背の低い私たちがどう戦うのか……」 そう話す吉田の表情には笑みが浮かんでいる。「やっぱりそれは足を使って走るバスケットになると思います。トムがよく言うんですけど、相手がどこであろうと、自分たちのバスケットをすることが大事。私としては、オーストラリアと戦うのは単純に楽しみだし、チームがレベルアップするためにとても大事な相手だと思っています。オーストラリアに追い付き、追い越す。オリンピックでメダルを取るにはそれが絶対条件になってくるので、それを経験できるのは日本にとってすごく大事です」 「チャンスとチャレンジで」去年のチームを超えろ チームとしてのコンセプトはリオ五輪の時からブレがない。ただヘッドコーチは内部昇格とは言え変わったし、リオ五輪のチームと全く同じというわけではない。「一目で分かるのは若くなったことですね。経験ある選手が少なくなった分、新しく入ったメンバーがいるので、その差をどう埋めていくか。私みたいなベテランや中堅がどう引っ張っていくかにかかっています」 「トムはすごく厳しいヘッドコーチなので、みんなそれについてくるのに必死です。本当に毎日トムと戦ってるっていう感じです(笑)。『より走れるチームになった』って言いたいですけど、まだまだ完成されてないので、アジアカップに向けた残りの時間でどれだけ徹底して練習に取り組んで、トムの思い描いているチームにどれだけ近づけるかというのがキーポイントになります。去年のチームを超えるぐらいのチームにならないといけない。そこの部分でキャプテンとして選手全員を引っ張っていければと思っています」 エースの渡嘉敷、バックコート・コンビを組んだ本川、爽快シュートを決め続けた栗原。リオ五輪を戦った先発の3人が抜けたが、吉田が『今のチーム』だけに集中している。「誰がいないとか誰が抜けたとか関係なく、4月からみんな必死にトムの練習をひたすらやって、海外遠征も行きました。みんなが頑張ってるのを私は近くで見てきました。やっているバスケは一緒だし、若い選手たちにはチャンスです。さっき言ったようにデータがない分、その選手たちにはチャンスがあります」 「去年のチームを超えるぐらいのチームにならないといけない」と吉田は言う。そのためにはどうすればいいのか、と問うと「何事もチャンスとチャレンジです」と吉田は自信ありげな笑みを見せた。 「このチームのメンバーは誰がスタートで出てもおかしくないと思っています。このチームがチャンスとチャレンジのチームになれろうよう、スタッフとともに最高のチームを作ってアジアチャンピオンになりたいです」 そう語る吉田に迷いはない。アジア3連覇に向け、落ち着いてはいるが闘志を燃やす吉田が、今回のアジアカップでもチームを力強く牽引してくれるはずだ。
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U-19ワールドカップ最終戦、接戦が続くも八村塁のラストショットが外れてプエルトリコに1点差負け、10位で大会を終える
ダブルチームやローテーションが向上した堅守が光る U-19ワールドカップは昨日が最終日。ベスト16でイタリアに敗れ、裏トーナメントである9位-16位決定戦に回った日本だが、韓国、エジプトに勝ち、最終戦では9位を目指してプエルトリコと対戦した。 序盤は日本のディフェンスが目立つ展開に。ここまで7試合を戦う中で、日本のディフェンスはルールが明確になり、ダブルチームやスイッチのローテーションが向上。また八村塁、シェーファー・アヴィ幸樹、増田啓介はプエルトリコ相手にも高さ負けせず、課題だったリバウンドでも対等に渡り合った。 第1クォーター、5分が過ぎたところで積極的なダブルチームからボールを奪い、重冨周希が持ち込んで八村塁のアリウープが決まり8-4と先行する。また足を負傷した西田優大の代わりに先発した杉本天昇が、2本の3ポイントシュートを沈めリードを保った。パスコースをふさがれてドリブルが多くなったところを狙われ、連続でボールを奪われるなど、突き放すには至らないが、フリースローの数で上回った日本が33-29と4点リードで前半を折り返した。 最後を託した八村のシュートが外れて大接戦を落とす ところが後半に入ると突如、日本のディフェンスが崩れてしまう。強引な1on1からのドライブを止められず失点を重ねた。ドライブをケアするためにゾーンに切り替えるも、今度は3ポイントシュートを決められてしまう。ディフェンスが崩れたことでオフェンスにリズムが生まれず、日本のシュートはリングにはじかれ続けた。 頼みの綱の八村も不用意なパスをスティールされ速攻を食らうなど、0-14のランを浴びて逆転を許す。ここで踏ん張ったのが増田。ショットクロックわずかな場面で沈めたミドルシュートで悪い流れを断ち切ると、最後のポゼッションでも3ポイントシュートを沈めて49-51と詰め寄った。 迎えた最終クォーター、日本はビハインドの時間が続くがディフェンスを立て直し、しぶとく食らい付いていく。そして残り4分13秒、水野幹太のドライブから八村へのアリウープ・タップが決まり61-61の同点に追い付くと、続くポゼッションで八村がフリースローを2本沈めて逆転に成功した。 そして試合は最終盤へ。残り24秒、杉本が1on1からミドルシュートを沈め67-66。だが残り16秒、エンドからのスローインを受けたヘスース・クルスにペイント内に押し込まれ、バスケット・カウントを許してしまう。ボーナスショットとなるフリースローが外れ、リバウンドを取った八村がドリブルで持ち込みシュートを狙うも、これが外れてタイムアップ。67-68と1点差で接戦を落とした。 「一番良い選手に託して入らなければ仕方がない」 「ギリギリのところで残念なミスがあったが、選手を批判するわけにはいかない」と指揮官のトーステン・ロイブルは語る。八村が狙った最後のシュートにしても「最後、一番良い選手に託しての塁が打って入らなければ仕方がないとするしかない。試合はそこではなく、その前で決まるので」と説明した。 実際、フリースローは19本中11本の成功(57.9%)と低調だった。プエルトリコのフリースローは8本中5本(62.5%)。10本以上多いフリースローを稼ぎ出しながら、ここで大きな差を付けられなかったのが悔やまれる。また接戦の中でターンオーバーからの失点も響いた。日本は13のターンオーバーを犯し、そこから15点を失い(プエルトリコは10ターンオーバー、8失点)、失点に直結するターンオーバーで差が開いた。 それでも、U-19日本代表がこの大会で見せたパフォーマンスが素晴らしいものであったことに異論の余地はない。もともと八村を筆頭にポテンシャルの高い選手が集まっていたが、まずは世界を相手に『臆する』ことがなかったのが大きい。チャレンジャー精神は持ちつつも、謙虚すぎず卑屈になることがなかった。これは今後、どのカテゴリーにおいても日本が世界と戦う上で最低限必要なマインドとなる。 また試合を重ねるごとにパフォーマンスが向上。八村というエースを擁しながらもそれに依存せず、それぞれが持ち味を発揮した。プエルトリコ戦では西田に代わってスタメン起用された杉本が15得点を記録。その杉本は「西田がいなくて自分がやるという強い気持ちでした」と語る。大会を終えて杉本は「一人ひとり個性が強いチームで、楽しくて毎日が充実していました。この12人でこの舞台に立てたことは自分にとっての財産になります」と振り返る。 日本代表は決勝のカナダvsイタリアを観戦した後、日本時間明日に帰国の予定。エジプトの地で大いに経験を積んだ彼らが、それぞれの舞台で活躍し、また大きく成長することを期待したい。
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修正力と団結でワールドカップ大健闘のU-19代表、世界大会歴代最高の10位を記録して『ラストゲーム』の9位決定戦に挑む
どの試合も面白かったU-19ワールドカップの日本代表。八村塁という突出した選手の存在はもちろん、チームとしても選手個々としてもメンタルが非常に良かった。リオの女子日本代表と同じく、チャレンジ精神を持って挑みつつも卑屈にはならない、これ大事。サイズの不利があるのは年代問わず同じでも、攻守ともにアグレッシブにプレーすることで補うことのできる面は大きくて、こういう大会こそBリーグをきっかけにバスケに興味を持った『入門者』に見てもらいたい。Youtubeの小さな画面からでも伝わる熱気、明確にありました!(強いて言えば、勝つためにはもう少々『狡猾』な試合運びが求められるかなあ)1 Comment
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アジアカップを控えた女子日本代表がオランダに連勝、ベンチメンバーを含めた総合力を発揮し「良いチームになっている」
速攻を封じられるも堅固なディフェンスで優位に立つ ウイングアリーナ刈谷にオランダ代表を迎えた国際強化試合の第2戦、女子日本代表は72-45で快勝し、2連勝を飾った。第1戦は12-0のランから始まり、そのまま日本が押し切る展開となったが、今日の第2戦はオランダが攻守の切り替えを早め、日本はパス1本でフィニッシュまで持ち込めるような展開をなかなか出せなくなった。それでも守備は昨日以上の出来。激しく当たるもギャンブルはせず、インサイドでのポジション争いも制して、相手に良い形を作らせない。 さらに目立ったのはセカンドユニットの奮闘だった。河村美幸が接触をモノともせずインサイドで積極的に勝負し、難しいジャンプシュートを連続で沈める。赤穂さくらも先発センターの大﨑佑圭が作った良い流れを引き継ぎ、サイズで上回る相手を激しい守備で沈黙させた。 35-20とリードして迎えた後半は、吉田亜沙美と町田瑠唯の同時起用などのテストも実施、なかなか得点が伸びなくはなったが、長岡萌映子がハッスルしてルーズボールに飛び込み、ファウルを誘ってマイボールにしたシーンでは会場中から拍手が起こり、日本の優位は動かなかった。 先発と控えを『5人総入れ替え』していた第1戦とは違い、この日の試合は『本番想定』のローテーションも実施された。昨日は先発組がプレーしなかった第4クォーターも、吉田から長岡の鮮やかなランニングプレーが飛び出し、水島沙紀のノールックパスから河村の得点が生まれるなど、多彩な攻めが見られた。守備でも終盤に強度をさらに上げ、最後まで手綱を緩めることなく72-45で勝ち切った。 「アジアカップの最終調整が昨日と今日でできた」 91-42と大勝した第1戦に比べれば少々控え目なスコアとなったが、指揮官のトム・ホーバスは「オフェンスは良くなかった。でも、他の部分は良かった」と収穫を口にした。 指揮官はまた若手の成長によるチームのレベルアップへの手応えも感じている。「ベンチメンバーはだいたい若い選手で波がありますが、少しずつ安心できるようになっています。アメリカとヨーロッパの遠征が勉強になって、ベンチの力が上がっている。良いチームになっていると思います」 キャプテンの吉田も「今日のゲームは、悪くないけどスッキリしない」と振り返りつつも、収穫についてこう語る。「ディフェンスから我慢してリバウンドを取って走る。これがアメリカ遠征、ヨーロッパ遠征を経て出せた部分。アジアカップの最終調整が昨日と今日でできたのは大きな収穫だと思います」 また吉田は、2日間のウイングアリーナ刈谷の雰囲気にいたく感激した様子。今日は三井不動産カップの締めくくりということでキャプテンとして観客に挨拶をし、会見でも「日本の皆さんの前でこうしてプレーできたことを幸せに思っています。その感謝の気持ちをアジアカップでプレーで表現して、結果を残して帰って来たい」と、ファンへの感謝を語るとともに必勝を誓った。 アジアカップは7月23日開幕。日本はアジア3連覇をかけてこの大会に挑む。
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ウォリアーズGMが大幅減額を自ら受け入れたケビン・デュラントを称賛「彼の決断がなかったらチームは大きく変わっていた」
イグダーラとリビングストンは残留、ニック・ヤングを獲得 今オフのウォリアーズが抱えていた最大の問題は、昨シーズンの優勝チーム全員をチームに残せるかどうかだった。 フリーエージェントとなったステフィン・カリー、ケビン・デュラント、アンドレ・イグダーラ、ショーン・リビングストン全員と契約すれば総年俸が来シーズンのサラリーキャップ額を超えてしまうと予想された中、まずカリーがNBA史上最高額の5年2億100万ドル(約225億円)で合意。次はデュラントがマックス契約を結ぶ番だったが、デュラントはチーム編成へのマイナスを避けるため、自らの年俸を削った。単年3400万ドル(約39億円)までの契約を結ぶことができたのだが、2年5300万ドル(約59億円)でサインしたのだ。 このデュラントの『男気』により、ウォリアーズはイグダーラ、そしてリビングストンとも3年契約の合意を取り付けられた。チーム、そして勝利を優先するデュラントの行動を、ボブ・マイヤーズGMが称賛している。 マイヤーズは『AP通信』に、「彼の行動がなかったら、間違いなくロスターは変わっていただろう。しかも、今のロスターほど強力なものにはできなかった」と語った。 「彼は自らの意思で減額を受け入れた。そのインパクトは大きいし、私も感心させられた。彼は今後数年間はマックス契約に相応しい選手だ。そんな選手が取る行動としては称賛に値する。彼の決断がなかったら、ロスターのレベルを維持するために他を犠牲にしないといけなかった」 貴重な戦力であるイグダーラ、リビングストンの慰留に成功したウォリアーズは、7月7日、レイカーズからフリーエージェントとなったニック・ヤングとの契約を発表。 Warriors sign free agent guard Nick Young " https://t.co/xqEaVjtue4 ガードが多い点だけが気がかりだが、ヤングの得点力は大きな武器になる。 好景気を迎えているNBAでは大型契約が連発されている。そんな状況でもチームに優しい契約を優先したデュラントの行動は、今後も称賛されることだろう。
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U-19ワールドカップを戦う日本、開催国エジプトに堅守を貫き延長戦を制し3勝目
内と外とのバランスを改善することで逆襲を開始 U-19ワールドカップ、韓国から歴史的逆転勝利を挙げた日本は9位-12位決定戦に進み、ホスト国のエジプトと対戦した。 序盤は高さで上回るエジプトを相手にペイントエリアで失点を重ね、3ポイントラインから離れた場所から放つ3ポイントシュートを高確率で沈められてしまう。日本は増田啓介のレイアップ、 榎本新作のバスケット・カウントで反撃するも、第1クォーターで12-17とビハインドを背負った。 その後も相手の高さを気にしてインサイドにボールを入れられず、外のプレーに偏ってしまいオフェンスが機能しない。それでも安定したディフェンスで我慢の時間帯をしのぎ、5点ビハインドで前半を折り返した。 ハーフタイム、指揮官のトーステン・ロイブルは「塁(八村)も増田もシューターも外ばかりになってしまった。インサイドとアウトサイドでボールを動かせば良くなる」と選手たちに指示。この修正が効いて後半から日本が反撃を開始する。 ドライブでインサイドに切り込む意識が高まると、中と外のバランスが改善。ここまで不調だったキャプテンの三上侑希が、ミドルシュートとドライブから得点し流れを作る。残り3分30秒、水野幹太のドライブからノーマークを作り出し、杉本天昇の3ポイントシュートで42-41と逆転に成功した。 フリースローが入らず苦しむも集中力は切らさず 最終クォーターは追い付かれては突き放す一進一退の攻防に。それでも運動量が落ちることなく、集中したディフェンスを遂行する日本が優位を保って終盤を迎えた。だが、残り29秒から仕掛けられたファウルゲームで八村が1本目を落とし、続いては西田が2本ともミス。リバウンドから速攻を許し、土壇場で追い付かれてしまった。 迎えた延長戦、追い付いたエジプトに勢いがあるはずだったが、日本は最初のポゼッションでタフショットを打たせ、それを八村が豪快にブロック。日本は安定した堅守を披露し、精神的タフさを見せる。 互いに約3分間フィールドゴールが生まれない重い展開を破ったのは日本だった。ディフェンスリバウンドから速い展開を作り、アウトナンバーとなった三上が値千金の3ポイントシュートを沈める。さらに直後のポゼッションで守り切った日本は、一瞬の隙をついて増田が速攻を決め、残り1分42秒で70-64とリードを広げた。 フリースローの成功率が上がらない日本はセーフティーリードを保てず、残り6秒に3ポイントシュートを許し1点差まで追い上げられてしまう。それでも最後は八村が2本とも成功させて、76-73で逃げ切った。 ロイブルコーチ「日本にとって一大ニュース」 激闘を制した日本はベスト10以上が確定。ロイブルコーチは「誇りに思います。これだけの短い間で世界のトップ10になれたことは素晴らしいですし、日本にとって一大ニュースだと思います」と笑顔で話した。 キャプテンの三上は決して調子が良いわけではないが、1試合を通して集中を保ってチームに貢献。「ここまで来たら勝ちたかったので、気持ちでやれたと思ってます。アグレッシブにドライブして、キックアウトを繰り返してズレを作ることを意識しました」と語る。 サイズで劣るものの攻守ともに相手を上回った増田は、「相手のほうが体重もあって身体も大きいですけど、ペイントに入る前にバンプしたり、外からシュートフェイクして抜くとか、自分の勝てるところで勝負しようと思って、それができたと思います」と手応えを語った。 長かったワールドカップも明日が最終日。ベスト8進出はならなかったが、これまでのワールドカップ最高位を更新した。最終戦となる今夜のプエルトリコ戦に勝利し、有終の美を飾ってほしい。
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秋田ノーザンハピネッツのキャプテン、おらが町のヒーローとしての田口成浩の自負「イオンモールがパニックに(笑)」
B1初年度のシーズンを『2部降格』という最悪の結果で終え、「どん底まで落ちました」という田口成浩だが、もう気持ちを切り替え、新シーズンのB1復帰を至上命題に掲げることで前向きな気持ちを取り戻した。しかし、新シーズンに向けて始動するのはまだ少し先。この時期だからこそ、田口に「オフの過ごし方」を教えてもらった。 富樫に誘われてハワイに行って、癒されてきました ──チーム始動までまだもう少しあります。せっかくの機会なので、田口選手のオフの過ごし方を教えてください。 この前は富樫(勇樹)とハワイ旅行に行きました。本当に仲が良いんです。ただ、ちょっと上からなんですよ。「代表で忙しいので、この日程しか行けないから空けといて」って(笑)。でもハワイで癒されて帰って来ました。トレーニングはちょいちょい始めましたけど、シーズン後半にやったケガが完治していなくて、走ろうと思ってもまだ痛みがあるので、ゆっくりトレーニングしながら治しています。 ハワイ以外は特に何をするわけでもなく、おいしいものを食べに行ったり、ゆるーい感じで過ごしています。シーズン中もオフにはおいしいものを食べに出かけたりはするんですが、やはりゆっくりはできないです。日曜の試合が終わってから行くか、月曜がオフなので朝早くから行くか。それにシーズン中だとやっぱり意識が張り詰めているんで、ゆるーい感じになれません。試合に負けた後だと落ち込んでいるわけですし(笑)。 ──負けた時に深刻になりすぎたら精神的にもたないし、軽く受け止めすぎると今度は反省がない、という話になります。結果を良いバランスで受け止めるのも大事かと思いますが、田口選手はそのバランスはどうしていますか? 僕は受け入れる、というか受け止めます。真正面から現実をドーンと。富樫からも「お前、顔に出すぎだもんな」みたいな感じで言われるんですけど(笑)。「まあいいや、次だな」とは切り替えられないです。そういう人がうらやましかったりもしますね。 日曜にショックな負け方をしたら、その日は全力で引きずります。それで月曜になるべく切り替える。1回自分を落として、朝起きたところから上げていくんです。天気が良かったら買い物に行ったり、そんな感じでリフレッシュしながら自分の中でリズムを作っていきます。 自分の人気が実感できるようになってきました ──富樫選手の言う「顔に出すぎ」じゃないですけど、田口選手は試合中も感情が表情によく出るタイプで、そこが老若男女を問わず愛される理由なのかなと思います。 そうですかね。そうなのかな(笑)。 ──喜怒哀楽を出さない選手には、応援する側も感情移入しづらいですよね。ちなみにもう秋田ではレジェンド級の人気なのだと思いますが、実感としてはどうですか? あまり自分では言いづらいですけど、謙遜しすぎるのも失礼になると思うので言いますが、正直、有名になったという実感がわいてきました。秋田で6シーズンもプレーさせてもらっていますが、これも支えてくれる人たちのおかげです。今は普通に歩いているだけですぐ気づかれますね。イオンモールに行ったらパニックになる可能性もゼロではないです(笑)。 ──Bリーグが始まって全国区での知名度も上がったと思います。 そうですね。秋田は常に多いんですけど、全国区のメディアで出させていただく機会が増えました。月刊バスケットボールさんもそうですし、朝日新聞さんでは井上雄彦さんと対談させてもらって、イラストまで描いていただきました。あとはテレビに出演したりファッションショーに出たり、一緒に出演している方々が僕からすればスーパースターなので、その方々と一緒にいるだけで秋田の人は食い付くところだと思います。 ──……。 あっ、もちろんバスケット・カウントさんも。いつもありがとうございます!(笑) 「また田口がバカやってるな」でバスケが盛り上がれば ──Bリーグオールスターの3ポイントシュートコンテストは、ちょっとした映画ぐらい出来のいいストーリーでした。『千両役者』という印象が強いのですが、その自覚はありますか? 役者かどうかは分かりませんが、子供の頃から人を喜ばせたり笑わせるのが好きだったのは間違いないです。結局はただの目立ちたがり屋からきているんですけど、それが今でも見られていると思うと勝手にアドレナリンが出てくるんでしょうね。見られていると思うと「何をすれば喜んでくれるだろう」と自然に考えています。 「また田口がバカやってるな」と思われるかもしれませんが、それで楽しんでもらえれば、ついでにバスケットも見てくれるかもしれない。そうやってバスケットが盛り上がってくれたらいいな、というのは常に頭にあります。そういう意味でキャラクターを意識している面はあります。 まだまだバスケ人気は足りないです。例えばサッカーの本田圭佑選手であれば、奇抜な格好と自信いっぱいの発言で、サッカーを知らない人にもアピールできるだけの個性がありますよね。「この選手はこうだ」という個性が、バスケットボール選手にはまだ足りないです。その個性があればメディアでも取り上げてもらえると思うし、人気にもつながる。僕の場合、原点は「人を喜ばせたい、笑わせたい」ですけど、それが今につながっていると思います。 ──それでは最後にファンへのメッセージをお願いします。 2部からのスタートになりますが、これも自分が掲げるサクセスストーリーだとポジティブに思っています。1年という期間は長いですけど、これでしっかり自分がチームを引っ張っていって試合に出て結果を残して、最終的に1部に上がれれば、これほどないドラマがまた生まれると思っています。 そこでもう1回成長したハピネッツ、そして田口成浩をお見せしたいです。 これから2部で自分たちの必死に頑張ってる姿を見て、「もっと応援したい、楽しみたいな」と思ってもらえるようなプレーをしていきます。これからそうなれるように頑張りますので、期待してください!
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アジアカップへの最終調整、女子日本代表が完璧な内容でオランダを91-42と撃破
サイズに勝る相手に完勝、『走るバスケット』を展開 アジアカップを控えた女子日本代表がオランダとの国際強化試合を戦った。ウイングアリーナ刈谷のコートに立ったスタメンは吉田亜沙美、近藤楓、長岡萌映子、宮澤夕貴、大﨑佑圭。WNBA参戦中の渡嘉敷来夢が招集されず、髙田真希も左ふくらはぎの筋肉を傷めており回復を優先して欠場となったが、立ち上がりの数分の動きが重かっただけで、あとはFIBAランキング外のオランダを圧倒する。 前からプレッシャーをかけてパスコースを消し、それだけでなくオフ・ザ・ボールのマッチアップでもポジション取りで先手を取ることで相手のオフェンスを遂行させない。最初の4分半で12-0と圧倒する。 第2クォーターには吉田からのホットラインで長岡のランニングプレーが何度も炸裂。「リバウンドも考えなければいけないけど、行けると判断したらすぐ走ります。簡単に2点を取るのが大事なので」と長岡。第2クォーターで長岡は10得点、「後半に勢いが落ちてしまったので……」と満足はしていなかったが、海外遠征から続く好調をファンの前であらためて印象付けた。 長岡と並んでゲームハイの15得点を挙げたのはセンターの大﨑。目立ったのは得点以上にディフェンスで、身長で10cm上回るリシェレ・ファン・デル・ケイルとのマッチアップに完勝。大きな相手をペイント外に押し出し、高さの利を相手に活用させなかった。 「素晴らしいバスケット、これをファンに見せたかった」 前半を42-23と大量リードで終えた日本だが、ヘッドコーチのトム・ホーバスは手綱を緩めない。「スコアより自分たちのプレーを考えよう」と指示。質の高いバスケを引き続き追求させた。そして第3クォーター、激しいディフェンスで相手のミスを誘っての『走るバスケ』を存分に披露して71-35とリードを広げると、第4クォーターは先発の5人が出場せず。セカンドユニットだけで10分間を戦い20-7とさらにリードを広げ、91-42で完勝した。 試合を終えてトムヘッドコーチは「49点差で勝ったけど、収穫も課題もあった」と語る。特に前半に「オフェンスのスペーシングが前半足りなかった」と言いつつも、第3クォーターのパフォーマンスは「楽しい、素晴らしいバスケット。これをファンに見せたかった」と絶賛した。 ウイングアリーナ刈谷に集まった2289人は、リオ五輪から継続し、さらに進化する女子日本代表のバスケットを堪能した様子。アリーナの雰囲気は非常に良く、キャプテンの吉田は「まだミスもあって、自分たちのバスケットが完璧にできたわけではない」と語りつつも、会場の盛り上がりについては「非常にありがたいし、もっともっと良いプレーを見せてバスケットを好きになってもらいたい」と満足気。トムヘッドコーチも「オランダのコーチも会場の雰囲気を褒めてくれた。お客さんに感謝したい」と語る。 明日も同じウイングアリーナ刈谷でオランダとの2戦目が行われる。
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