卒業の季節を迎えた桜花学園、3冠を達成したチームからWJBLへ進む5人のインタビュー「勝って終われて本当に良かった」
インターハイ、国体、ウインターカップの『3冠』を達成した桜花学園。3年生は間もなく卒業し、新たな道を進む。今年の3年生のうちWJBLへと進む5人に、桜花学園での3年間を振り返り、今後の抱負を語ってもらった。 粟津雪乃「食が細いので食トレが一番キツかったです」 ⇒デンソー アイリス バスケットをやっていて一番うれしかったのは、最後に勝って終われたことです。辛かったのはご飯を食べることです。私は食が細いので、めっちゃ食トレされたんです。入学した頃はご飯を500グラム食べて、吐いてしまうこともありました。3年間で身体は……ちょこっとだけですが変わりました。 バスケ以外での思い出は文化祭ですね。2年生はダンスを踊るんですけど、めっちゃ練習して、何曲か踊ったのが思い出です。 卒業後はデンソーに入ります。WJBLはすごく大人なイメージで、大学とはちょっと違います。WJBLに入ったらポジションアップして、3ポイントシュートを打ったり、外回りでドライブできる2番とか3番の選手になりたいです。 デンソーではオコエ桃仁花と同期になります。仲が良くてたまにLINEしています。技術もすごいですけど身体能力が高いので、瞬間的な抜きの速さだったり力の強さのある選手です。ライバルが増えることにはなりますが、仲が良いというかよくしゃべるので、そういう友達と一緒に頑張れると思っています。 U-19代表では自分がやっているようなプレーをする選手がいないので、あまりライバルという感じはないのですが、ひまちゃん(赤穂ひまわり)や宮下(希保)には負けたくないという気持ちがあります。 佐古瑠美「叔父と同世代の折茂さんが目標です」 ⇒デンソー アイリス 桜花学園での3年間、最初の2年間は試合に出ることができなくて、ベンチにも入るか入らないかというところでやっていました。その悔しさを持って努力した結果が3年生になって表れて、3冠ができてうれしかったです。 練習ではよく叱られて、たまに「ウザい」と思ってしまったこともあるんですけど、でも先生が最後まで自分を使ってくれたことにはすごく感謝しています。進路のこともよく考えてくれて、自分にあった進路を見つけてくれました。バスケを離れたらすごくおじいちゃんで、本当の家族のように感じていました。 デンソーでは、とりあえず自分の持ち味のシュートでチームの勝利に貢献できるように頑張ります。また日本代表になれるように、そしてオリンピックに出れるように頑張りたいです。髙田真希選手は桜花学園の先輩になります。バスケの面ではすごく熱心な努力家です。 自分の叔父が佐古賢一(広島ドラゴンフライズのヘッドコーチ)がいます。小学校の時は家族で試合を見に行ったりしました。ガードなので周りのことをすごく見ています。リストバンドをもらったことがあります(笑)。叔父と同世代の折茂武彦さん(レバンガ北海道)が私の目標とする選手です。 梅沢樹奈「開志国際戦、一発目のシュートがうれしかった」 ⇒JX-ENEOSサンフラワーズ 3年間を振り返ると、負けた時の練習と外出禁止が本当に辛かったです。あとは食事も。自分は食べることが好きなんですけど間食がないのは辛かったですね。 うれしかったのはやはり試合で勝てたこと。最後、自分の代で3冠できたことです。一番うれしかったのはウインターカップの開志国際との準々決勝、スタートで出れて一発目のシュートを決められた時です。 JX-ENEOSに行きます。目標とする選手である間宮(佑圭)さんと渡嘉敷(来夢)さんの下でやれるので、まずは練習についていくところから、先輩の姿をしっかり見て、もっと強くなれるよう頑張りたいです。 コナテ・カディジャ「チャレンジ精神で向かっていきたい」 ⇒アイシン・エィ・ダブリュ ウィングス 私は全然出番がなかったんですけど、自分たちの代で3冠できたことは本当にうれしかったです。ステファニーを見ていると、やっぱり「いざここで」という時にちゃんと勝負に行っていて、活躍する選手は違うと思いました。 アイシンAWではステファニーのお姉ちゃんのエブリンさんと一緒になります。エブリンさんは自分が中学校の時のあこがれの選手だったのですが、桜花学園ではちょうど入れ違いになってしまって、あまりプレーを間近で見る機会がなかったんです。多分、アイシンAWに入ったらポジションがかぶると思いますが、引かずにチャレンジ精神を持って、どんどん向かっていきたいです。 1年目はまずトレーニングをしっかりやって、2年目からレギュラーで試合に出られるように頑張ります。 馬瓜ステファニー「オリンピックに出場できるような選手に」 ⇒トヨタ自動車アンテロープス 3年間を振り返ると、やっぱり一昨年のウインターカップで負けたのが一番きました。完全に落ちました。次の日から練習があったのですが全然身が入らなくて、3年生のみんながミーティングで私たちの代で勝てばいいんだからと言ってくれて大号泣して、そこから立ち直って何とかやってきました。 春からはトヨタです。大神(雄子)さんなど先輩も多いチームです。自分にはまだ足りない部分が多いので、まず1年目で周囲に認められるような選手になりたいです。チームの力になれるよう、普段から頑張りたいです。まずは試合に出られるように、そこからですね。 バスケを始めたのは姉(馬瓜エブリン)の影響です。みんなからは「お姉ちゃんと同じチームに行くだろう」なんて言われてたと思うんですけど、いつまでも姉の背中を追っているわけにもいかないので、追い抜くためには違うチームに行かなきゃと思いました。バスケに関しては姉もライバルなので。普段は友人であり先輩であり、仲は良いんですけど。 私はNBAが好きでよく見ているんですけど、レブロン・ジェームズが異次元ですよね。でも、そういう人は陰でものすごく努力していて、そういう部分を見習いたいです。表だけでなく裏でもしっかり頑張れる人になりたいです。 ライバルは、赤穂(ひまわり)さんとか(オコエ)桃仁花さんとか、自分と同じ系統の選手がこの学年にはいて、自分が日本代表になろうと思ったら戦わなければいけない相手なので、そこは負けないよう頑張りたいです。 まずはトヨタで試合に出ること。そしてオリンピックに出場できるような選手に成長したいです。
取材・写真=古後登志夫