レブロン・ジェームズ、『思い出の地』でのラストゲームにダンク連発、通算50回目のトリプル・ダブルを記録
3連敗を喫するもレブロンは鬼気迫るプレーを披露 レブロン・ジェームズにとって思い出の場所が、デトロイトにある。 3月9日に敵地で行なわれたピストンズ戦、キャバリアーズはクォーターごとにリードが入れ替わる展開の末に101-106で競り負け、今シーズン3度目の3連敗を喫した。 第1クォーターはカイリー・アービングとレブロン・ジェームズの1対1が高確率で決まりキャブズがペースを掴む。アービングのペネトレイトに合わせたレブロンが豪快なダンクを決めて20-2のランを見せる。だがその後に持ち直したピストンズの反撃を浴びて接戦に。 7点をリードして迎えた最終クォーター、レブロンを休ませている間にファンブルやパスミスを連発。ディフェンスからリズムをつかんだピストンズに0-13のランを浴びて一気に試合をひっくり返された。 コートに戻ったレブロンは、アシストに得点にフル稼働してキャブスに勢いを注入。残り1分19秒、レブロンのパワフルなドライビングレイアップで3点差に。だが直後レジー・ジャクソンにショットクロックギリギリのところでタフショットを決められ5点差とされてしまう。このシュートが決定打となり、ファウルゲームも効果がないまま101-106でキャブズは敗れた。 第4クォーターの逆転劇で主役を演じたレジー・ジャクソンがチームハイの21得点を挙げ、アンドレ・ドラモンドが20得点16リバウンド(うちオフェンスリバウンド7)のダブル・ダブルを記録した。ピストンズはこの勝利で東カンファレンス7位に浮上。残り20試合を切りプレーオフ進出争いで一歩前進している。 キャブズは得意の3ポイントシュートが低調に終わり、レブロンとアービングへの依存が否めず。JR・スミスがケガから復帰したが、3ポイントシュート8本中1本のみの成功と本調子を取り戻すにはまだ時間がかかりそうだ。 LeBron James (circa 2007) put on a dunk show in the Palace tonight! Watch: pic.twitter.com/gBnbHbMRYf 10年前を彷彿とさせるパフォーマンス 敗れたとは言え、この試合で圧倒的な存在感を見せたのがレブロンだった。迫力満点のダンクを含む29得点13リバウンド10アシストの大活躍。これで通算トリプル・ダブルの回数が50に到達、これはNBA史上7人目の記録だ。 この日のレブロンは、まさに『アンストッパブル』。誰がマークにつこうがお構いなしにリムにアタックし、パワーダンクを連発した。 この日の迫力は、2007年の5月31日に同会場で行なわれた東カンファレンス・プレーオフ決勝の第5戦を思い起こすほど強烈だった。シリーズの対戦成績を2勝2敗で迎えた同試合はダブルオーバータイムの大熱戦に発展。レブロンが第1オーバータイム終盤から一人でチームの全得点を叩き出し、試合を通じて50分の出場で48得点を記録する獅子奮迅の活躍を見せた。 当時のレブロンはキャリア4年目の選手で、ピストンズは2004年の優勝メンバーであるラシード・ウォーレス、テイショーン・プリンス、チャウンシー・ビラップス、リチャード・ハミルトンらを擁する『格上』だったが、同試合を109-107で制したキャブズの勢いが勝り、王手をかけて臨んだ第6戦にも勝利。キャブズが球団史上初のNBAファイナル進出を決めたシリーズとなった。 この日のレブロンのパフォーマンスは、まさに10年前を彷彿とさせるものだった。 普段の試合なら、ジェームズがここまでダンクを連発するケースは稀だ。この試合は今シーズン最後のデトロイトでのゲーム。ピストンズは来シーズンからホームアリーナを変更することもあり、思い出の地で存分にプレーしておきたかったのだろう。ダンク成功後にリムにぶら下がり続けテクニカルファウルをもらうほど、気持ちが入っていた。
写真=Getty Images