久保の代表初ゴールで日本が先制

 ワールドカップのアジア最終予選が23日に行われ、日本代表はアウェーでUAEと対戦した。過去、UAEで開催されたW杯予選では3分け1敗と一度も勝利していなかった日本だが、前半14分にFW久保裕也の日本代表初ゴールで先制すると、後半にもMF今野泰幸が追加点を挙げて2-0で勝利した。

 キャプテンのMF長谷部誠を負傷で欠く日本は、2年ぶりの代表復帰を果たした今野がインサイドハーフで先発出場。今野の隣にはドルトムントで調子を上げているMF香川真司が並び、アンカーにはMF山口蛍が入る4-3-3の布陣でキックオフを迎えた。

 立ち上がりから積極的な日本は、前半7分に細かいパス回しからセンターFWで先発出場した大迫勇也がゴールを狙ったが、シュートは左に外れて行く。その後も良い形でボールを奪えていた日本は、14分に右サイドのDF酒井宏樹から縦にパスが出ると、これをエリア内で受けた久保がゴールに突き刺した。

 久保の日本代表初ゴールで先制した日本だが、前半20分には守備を崩され、GK川島がFWアリ・マブフートと1対1になるピンチを迎える。それでもGK川島がシュートを体に当てて得点を許さない。その後のチャンスで追加点を挙げることはできなかった日本だが、UAEにも得点を許さずに、前半を1点リードで終えた。

2年ぶりの代表で存在感を示した今野

©Getty Images

 後半の立ち上がり4分、日本は左サイドを崩されゴール前にクロスを入れられたが、MFイスマイル・アルハンマディのシュートミスに助けられる。逆に6分にはDF吉田麻也のロングキックからチャンスつくる。右に流れていた大迫がヘッドで久保にボールをつなぐと、久保は敵陣深くまでボールを運び、ゴール前にクロスを入れる。ゴール前では左ウィングの原口元気が中央に絞っており、DFの注意を引き付ける。その裏に入り込んだ今野が胸でボールをトラップし、その流れのままシュートを決めてリードを2点に広げた。

 焦りが見えるUAEに対し、日本は後半15分にもDF長友佑都のクロスに大迫がヘッドで合わせたが、これはGKに阻まれた。前線を幅広く動き、ロングボールをしっかりと収めて攻撃の基準点をつくっていた大迫は、29分にも途中出場のMF倉田秋からのパスを受けて決定機を迎えたが、これもGKに防がれて得点はできなかった。

 後半33分、日本代表のヴァヒド・ハリルホジッチ監督は、2人目の選手交代で久保を下げて、所属するミランで出場機会のないMF本田圭佑を起用する。その4分後には、大迫が相手選手との接触で負傷し、FW岡崎慎司と交代した。日本は吉田を中心にUAEの攻撃を跳ね返し続け、危ない場面をつくらせない。後半43分には、本田がドリブルでボールを運ぶ。相手DFに潰されたが、こぼれ球を原口が拾ってゴール前でフリーになっていた岡崎にパス。岡崎はトラップしてから、しっかりとゴールを狙ってシュートしたが、左に外してしまった。

 追加点を狙って前に出てくるUAEに対し、日本は落ち着いた守備で対応してカウンターからゴールをうかがう戦い方を最後まで遂行。リーグ戦でも好調の今野が攻守に渡って高いパフォーマンスを見せ、吉田がリーダーシップを発揮し、長谷場不在の穴を感じさせない試合運びで2-0の勝利をつかんだ。W杯最終予選の初戦、ホームで敗れた相手に借りを返し、アウェーで勝ち点3を獲得した日本は、28日にグループB最下位のタイと埼玉スタジアムで対戦する。


VictorySportsNews編集部