アルバルク東京に挑むもシュート成功率の低さに泣いた秋田ノーザンハピネッツ、悪い流れから『WAKE UP!!』するも及ばず
新戦力がフィットし始めた両チームによる新たな戦い 後半戦よりアルバルク東京はジェフ・エアーズとトレント・プレイステッドを、対する秋田ノーザンハピネッツも先発を務めたレオ・ライオンズとイバン・ラベネルを新戦力として迎えている。交流戦を終え、その新戦力がチームに馴染み始めた中で迎えた5回目の対戦となった。 これまで3勝1敗で勝ち越している戦績通り、秋田のミスに付け入るA東京が13-0と一方的な展開でゲームはスタートした。 交代でベンチに下がるラベネルが「WAKE UP!!」とチームを鼓舞する。その声にコート上の選手たちが目を覚ました。安藤誓哉のシュートで得点が動く。簡単にやられていたディフェンスも強い気持ちで対抗したことで、秋田は一気に13-9と4点差まで追い上げる。 しかし、A東京も秋田のプレッシャーディフェンスに対し、パスをつなぎながら再び点差を引き離していく。新戦力が加わり発展途上のA東京だが、「パスはだんだんと息が合ってきて、アシストは増えてきた」とヘッドコーチの伊藤拓摩が言うようにチームとしての成長を見せる。前半だけで10本のアシストを通し、38-19とA東京がダブルスコアのリードを奪い、前半を終えた。 第3クォーターは秋田の時間。206cmのライオンズが3本の3ポイントシュートを決めて勢いづける。「前からプレッシャーをかけろ」という指揮官である長谷川誠の指示通りに足を動かし、田口成浩が2本の2ポイントシュートを決め、さらにラベネルが押し込んで43-49とし、その差6点まで迫る。しかし、正中岳城にブザービーターの3ポイントシュートを沈められてしまった。 スコット・モリソンのダンクで追い上げる秋田だが、ここでも正中がバスケット・カウントを決めて突き放す。ゾーンディフェンスが裏目に出てしまい、ザック・バランスキーが気持ちよくアウトサイドシュートを決め、74-52と22点差をつけた。ゲームの最初と最後に爆発的な攻撃力を見せたA東京が78-60で勝利するとともに、チャンピオンシップ出場を決める試合となった。 秋田は残留プレーオフ回避のために「勝つことが条件」 敗れた秋田だが、スタッツを見れば試投数はA東京の62本に対し66本、リバウンドも4本多い40本と上回っている。51.6%と5割越えの高確率でA東京は高確率でシュートを決めている。一方の秋田は34.8%であり、「高い位置からディナイをされてプレーが止まってしまい、タフショットを選択させられたことが何回もあった」と田口は敗因を挙げた。 A東京との5戦を終え、田口は「しっかり相手と同じ土俵に上がって、自分たちのバスケットができれば通用する部分はある」と手応えを感じ始めている。特にディフェンス面に関しては、「序盤の悪い流れからディフェンスで巻き返すことができた。その良い部分は一人ひとりの自信になっている。明日の試合でもう一回チャレンジするだけ」とリベンジを誓った。 チャンピオンシップ進出を決めたA東京に対し、秋田はB1残留プレーオフに片足を突っ込んでいる。そこから抜け出すためにも、「勝つことが条件になる」とヘッドコーチの長谷川は何としても白星をつかみにいく姿勢を見せた。 横を見れば、滋賀レイクスターズが名古屋ダイヤモンドドルフィンズとの接戦をモノにしている。富山グラウジーズは94-79で横浜ビー・コルセアーズに快勝した。秋田もアップセット(番狂わせ)をしなければ、厳しい状況からは抜け出せない。 逆に言うと、同じ東地区では仙台89ERSが栃木ブレックスに完敗。1勝の重みが増す中だけに、簡単ではない『強豪相手の1勝』をいかにしてモノにするか。善戦するだけでは足りない。チーム一丸で勝利を目指す第2戦は今日14時10分ティップオフ。
文=泉誠一 写真=B.LEAGUE