ネイマール、歴代得点王ペレに追いつく可能性大!
執筆者 Roger Torrelló 2018年6月に開催されるロシアワールドカップでネイマールのプレーを堪能できることはほぼ間違いないだろう。 3月28日にサンパウロで行われた同大会南米予選、3-0でパラグアイを退けたブラジルは、全世界で本戦出場を決めた最初の代表となった。 14試合を終えて10勝1敗3分の勝ち点33と、2位のコロンビアに勝ち点9差をつけて首位を独走するブラジル。 しかし振り返れば、自国開催となった前回の同大会で苦しい経験を味わっている。 2014年7月8日に行われた準決勝、ベロオリゾンテのミネイロンでドイツと対戦したブラジルは前半、守備が崩壊し5点も献上。準々決勝のコロンビア戦でファン・スニガのとび蹴りを受け負傷したネイマールを欠くブラジルは、最終的に7-1で惨敗を喫し、大会から姿を消すこととなった。 1950年のW杯でウルグアイに敗れ優勝を逃した『マラカナンの悲劇』にちなんで、『ミネイロンの惨劇』と呼ばれるようになったこの屈辱的な敗戦は、選手たちやサポーターを絶望の底へ容赦なく突き落とした。 そんななか、国民にかつての期待と笑顔を取り戻す大役を担ったのがネイマールだった。当初はその若さから厳しい批判の嵐にさらされ、主将の座を返上する状況にまで追い詰められたこともあった。 しかし逆境を糧したネイマールは、ブラジルを早々とロシアW杯本戦へ導き、批判を賞賛へと変えてしまった。 2016年の夏、リオ五輪に100%のコンディションで出場することを優先したネイマールは、直前に米国で行われたコパ・アメリカへの参加を辞退。その甲斐もあってリオ五輪では決勝でPKの末にドイツを下し、ブラジルに金メダルをもたらすと共に、2014年のワールドカップ準決勝の雪辱を果たすことに成功した。 76試合で52ゴール、直近の7試合で6ゴール 新生ブラジルの快進撃には、ドゥンガ前監督の後任として2016年7月に代表監督に就任したチッチことアデノール・レオナルド・バッチの存在も大きく影響している。チッチ就任以降のチームは、8戦全勝と破竹の勢い。ネイマールは累積警告によって欠場したベネズエラ戦を除く7試合に出場、6ゴールを記録するなど絶好超を維持しまさにチームにとって必要不可欠な存在へと成長を遂げている。 3月28日に行われたパラグアイ戦でもネイマールは、FCバルセロナのチームメート、レオ・メッシを彷彿させる芸術的なゴールを決め観衆を魅了した。 自陣で相手選手2人をスピードで抜き去ると、そのまま左サイドをドリブルで約70メートル駆け上がり、最後はペナルティーエリア内でDF3人に囲まれながらも技ありシュートをゴール右隅に沈めた。 ロマーリオの持つ記録へ ブラジル代表で現在52ゴールを記録している25歳のネイマールは、ロマーリオの持つ85試合56ゴールの記録に着々と近づいている。ブラジル代表の歴代最多得点記録は、サッカーの王様ことペレの115試合95ゴールを筆頭に、ロナウドの98試合67ゴール、ジーコの89試合66ゴールと続いている。 ペレの持つ記録にはまだ遠く及ばないものの、ネイマールはペレが同じく25歳の時に達成したゴール数と並んでいることから、今後も今のペースを維持できれば将来的にペレの記録を抜く可能性も十分に考えられる。