前半10分に香川が負傷するアクシデントも…
日本代表は7日、東京スタジアムでシリアとの国際親善試合を行った。前半に先制点を許した日本だったが、後半13分に負傷明けのMF今野泰幸がゴールを決めて試合を振り出しに戻した。その後は途中出場したMF本田圭佑やMF乾貴士の活躍もあり、攻勢に試合を進めた日本だったが、勝ち越しゴールを挙げることはできずに1-1で試合を終えている。
日本の先発はGK川島永嗣、最終ラインは右からDF酒井宏樹、DF吉田麻也、DF昌子源、DF長友佑都。中盤の底に山口蛍が入り、その前にMF今野泰幸とMF香川真司が並び、最前線は右ウイングに久保裕也、左ウイングに原口元気、そしてセンターFWに大迫勇也が入る4-3-3で試合に臨んだ。ブルガリアリーグでプレーする注目の初招集選手であるMF加藤恒平、ミランのMF本田圭佑、レスターのFW岡崎慎司らは、ベンチスタートとなっている。
13日に行われるW杯最終予選のイラク戦に向けた準備の一戦、日本代表は1997年にW杯初出場を決めた際に身に着けていた炎の模様が入ったメモリアルユニフォームで臨んだ。開始早々の前半7分、日本にアクシデントが起きる。自陣深くに戻って相手選手に対応した香川が左肩を脱臼。そのままピッチに戻ることはできず、11分にMF倉田秋と交代を余儀なくされた。立ち上がり、シリアに押し込まれる時間も長かった日本だが、前半17分には倉田からの縦パスを受けた大迫が前線でマークを外してボールを受け、左足でゴールを狙う。しかし、GKにキャッチされて得点は挙げられなかった。
さらに21分には、最終ラインの吉田から最前線の大迫に縦パスが入る。吉田がボールを保持していたときから、最前線に駆けていた今野が大迫からの1タッチパスを受けてゴールに迫ったが、ギリギリのところでGKにキャッチされて、シュートは打てなかった。対するシリアも27分にチャンスをつくる。ゴール前にアルマワスがボールを入れると、庄子の処理が中途半端になり、そのこぼれ球を拾ったアルマワスがシュートを放ったが、ゴール右に切れていった。
日本は反応の良いシリアの守備を前に、なかなかチャンスをつくり切れない時間が続く。36分には右サイドの酒井宏からのパスを受けた原口がペナルティーエリア内でボレーシュートを打つが、DFにブロックされる。こぼれ球を山口がボレーで狙ったが、シュートは大きく枠を外れていった。40分にも原口はDFのクリアーボールを酒井宏が拾ってつないだボールを受け、DFをかわしてシュートしたが、わずかに枠を捉えられなかった。アディショナルタイムにも日本は、久保がエリア外から左足でゴールを狙ったが、これもゴール左に外れていき、前半は0-0で終了した。
後半13分に今野のゴールで同点に追いつく
©共同通信 後半の開始と同時にバヒド・ハリルホジッチ監督は、久保をベンチに下げて本田を投入した。後半3分、先に試合を動かしたのはシリアだった。CKの流れから右サイドからゴール前にクロスを入れると、マルドキアンが日本の両CBの間でヘディングを決めて、先制点を決めた。1点を追う日本は後半8分に山口に代えて、代表デビューとなる20歳のMF井手口陽介を送り出した。
後半13分、日本は試合を振り出しに戻す。左サイドからオーバーラップを仕掛けた長友の折り返しをゴール前に走っていた今野が押し込み、試合を振り出しに戻した。得点後、日本は原口をベンチに下げて、MF乾貴士が入った。さらに6人まで選手交代ができる試合で、18分にハリルホジッチ監督は今野をベンチに下げて、FW浅野拓磨をピッチに送り出した。浅野が右サイドに入り、本田がインサイドハーフにポジションを移している。19分には乾のチャンスメイクから、長友が右足でゴールを狙ったが、DFにブロックされて得点はできない。その後も日本はシリアを押し込んだが、追加点は挙げられなかった。
全体的には押し込まれていたシリアも、時折、鋭い速攻からチャンスをつくる。後半26分にはジェニアトが突破を仕掛けてシュートしたが、決めきれなかった。29分には日本も決定機をつくる。大迫のドリブル突破から縦パスを受けた本田が、絶妙な右足でのトラップからDFをブロックしながら右足でゴールを狙ったが、シュートはGKに弾かれた。32分には右サイドからのロングボールを受けた乾が足に吸い付くようなトラップを見せて、ゴールに向かって仕掛ける。右足でシュートを放ったが、これもGKに防がれてしまう。39分にはCKからキャプテンの吉田がヘッドでゴールを狙ったが、シュートは右に外れていった。
ハリルホジッチ監督は後半40分に大迫を下げ、最後の交代枠で岡崎を使う。42分には、またも乾がドリブルでDFをはがしてチャンスをつくる。乾からのパスを受けた岡崎はボールを処理しきれなかったが、本田につなぐ。本田は右足でゴールを狙ったが、枠を捉えられなかった。日本はアディショナルタイムにもボールを保持しながら勝ち越しゴールを目指したが、得点を決められずに1-1のまま試合は終了している。
勝利することはできなかった日本だが、途中出場した井手口、本田、乾らは、存在感をしっかり示し、今後のポジション争いの激化していくことを予感させる一戦となった。