昨年にJOCが制作・発行した2017年度版のカレンダーはB1判(縦103センチ×横72・8センチ)の大判サイズで、昨年のリオデジャネイロオリンピックで活躍した選手を中心に写真を大きく掲載している。シンクロナイズドスイミング日本代表選手がリオ五輪で銅メダルを獲得した演技の写真を複数枚使用する予定だったが、そのうちの1枚を誤って中国人選手の写真を使用していたことが発覚した。
東京都北区にある国立スポーツ科学センターに掲出されていたものを、年明けにシンクロナイズドスイミングの関係者が見て気づきJOCに指摘したという。シンクロナイズドスイミング日本代表の井村雅代監督は「水着や顔つき、ばらついた演技で、日本ではないことがパッと分かった。信じられない間違い。JOCの事業が年内で終わっていたので、年明けに再び連絡をしたらすぐに謝りにきたが、『JOCにとってはそんなもんなんだな』と思った」とコメントしたことを産経新聞は伝えている。
JOCは日本水泳連盟に謝罪をし、誤用した写真を差し替えた修正版を再配布済みだというが、誤用した修正前のカレンダーは一部しか回収できていないという。再配布についてもしっかりと説明がなされていないようで、受け取った関係各位も「なぜ」と首をかしげているとの話だ。
カレンダーを制作したJOCの事業部は「人的ミス」と確認を怠ったことを認めている。
【井村雅代】1950年8月16日生まれ、大阪府出身。中学生になってシンクロナイズドスイミングを始め、選手としては日本選手権での優勝やミュンヘンオリピック出場などの経歴を持つ。1975年より本格的にシンクロナイズドスイミングの指導者として活動し始める。1978年から日本代表のコーチに就任。1985年には井村シンクロクラブを創設している。2004年のアテネオリンピック後に日本代表コーチから退任。その後、中国代表コーチ、イギリス代表コーチを歴任。2014年2月に日本代表コーチへと復帰している。