ひとつ前のお話はこちら©︎カネシゲタカシ

「そうです、ベイスたんです、稲尾さま。

やつは去年、遠い遠い星からベイスターズを思う一心で
念願のハマスタにやってきました。

ところが試合を観たら帰る約束が、『帰りたくない』と逃げ出し行方不明に……。
しかしまさか、ハマスタにおったとは。
まあ、元気そうで何よりじゃ」

神さまは、久しぶりベイスたんの姿をみて少しホッとしました。

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稲尾さまは、神さまを呼び止めて言いました。

「ベイスたんは、久しぶりに会う神さまのことを恐れているはずじゃ。
急に出て行ったら、またすぐどこかへ逃げてしまうかもしれんぞ。」

「まあ、言われてみればたしかに…。
では、いったいどうすればベイスたんに、
侍ジャパンを応援させることができましょうか?」

すると、稲尾さまは言いました。

「ワシに名案がある。
ほれ、侍ジャパンには、彼らを司る“守り神”がいなかったじゃろ?

ベイスターズに、おぬし。ライオンズにワシがいるように、
侍ジャパンにも、守り神が必要である。」

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そう言うと、稲尾さまは周りにあった雲をちぎって、なにかをつくり始めました。
どうやら侍ジャパンの守り神を、つくっているようです。

「わかりましたぞ、稲尾さま。
その新しい守り神を、私の代わりにベイスたんのもとに派遣するというわけですな」

「その通りじゃ、神さま。
やはり、かっこいいサムライの姿をしているのが良いじゃろう。
高倉健とか、渡辺謙とか、そういうイメージじゃ。(こねこね)」

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稲尾さまは言いました。

「こやつを、ベイスたんのもとに、送りこむのじゃ」

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カネシゲ タカシ

漫画家・コラムニスト。1975年生まれ、大阪府出身。 「週刊少年ジャンプ」にてデビュー。 現在は「週刊アサヒ芸能」や「スポーツナビ」に連載を持つほか、テレビ・ラジオ・トークイベントに出演するなど活動範囲を拡大中。 著書・共著に『みんなのプロ野球川柳』、『みんなの あるあるプロ野球』(ともに講談社)、『ベイスたんやよ!』(KADOKAWA)、『野球大喜利 ザ・レジェンド』(徳間書店)などがある。 元よしもと芸人。