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そして、いろいろなところをお掃除している間に、試合が始まりました。



ジャイアンツさんには、今季まだ一度も勝てていません。
しかし、そんな強いチームを相手に、いきなり5点を失ってしまいます。

「あややぁ…」

球場にやってきた、たくさんのベイスターズファンのため息がきこえました。

しかし、それをきれいにかき消したのが、この二人!

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ブランコ選手の18号2ランホームラン、
そして我らがノリさんの5号ソロホームランが炸裂です!

「しあいのゆくえは、まったく、わからなくなったやよ!
ベイスターズ、がんばって、がんばってー!(ぴょーんぴょーん)」




しかし、ベイスターズもジャイアンツも、その後はしばらく得点入らず。

動いたのは6回でした。

代打・矢野選手のタイムリーツーベースなどで3点を追加したジャイアンツ。
さらに7回は、坂本選手とロペス選手のホームランで2点を加えます。

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さすがのベイスたんも、すこし元気がなくなってしまった、そのウラの攻撃。

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白崎選手のヒットに続いて、代打・多村選手のツーランホームラン!
そしてモーガン選手の来日初ホームランがライトスタンドに炸裂!

さらに内村、荒波、ブランコとヒットで続き、仕上げはやっぱりこの人。
中村ノリ選手のタイムリーツーベースで2点を追加!

なんと7連打で6点を挙げる猛攻撃です。

これぞ横浜マシンガン打線!
やられたらやり返す、5点取られたら6点取る!

いや…これはもしかしたら中村ノリ選手のDNAが“DeNA”を覚醒させた
「横浜いてまえ打線」なのかもしれません。
とにかく圧倒的な破壊力!

「うわーい!うわーい!ことしの、ベイスターズ、いつだって、ミラクルやよ!
ぜったいに、あきらめない、ふくつの、ちーむやよ!(ぴょーんぴょーん)」


そして舞台はすべて整いました。
9回1アウト一・二塁。

もう何が起こってもおかしくない雰囲気のなかで、
すべてのベイスターズファンの夢が 本当になりました。

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「でんせつの、しあいやよ!でんせつが、うまれたやよ!
ゆめが、ほんとうに、なったやよ!
ベイスターズが、かった!ベイスターズが、かったやよー!(ずばばばーん!)」


熱狂と絶叫のウェーブがハマスタを包み込みます。
雨はもう気になりません。
みんなで勝ち取った、みんなの勝利です。

この日スタンドにいたすべてのベイスターズファンが
多村選手のサヨナラホームランの輝かしい光景を、いつまでも語り継ぐことでしょう。

夢が本当になるって、なんて幸せなことでしょうか。
だれもがあのホームランのように 輝けたらいいね、ベイスたん。

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なくなってしまったはずのシウマイが、いっぺんに5つ。
そして、しろいおほしさまが、1つ。

ベイスたんは、今日の勝利がうれしくてうれしくて仕方がありません。

「もう、もう、じっとして、いられないやよ!
ベイスたん、まちを、ぱれーど、しちゃうやよ!(ぴょーん)」

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うれしくてうれしくて、とにかく誰かに自慢したい あの気持ち。
応援用のユニフォームを脱ぐのが、ちょっと惜しいような あの気持ち。

ベイスたんのパレードは、まだまだ続きそうです。

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カネシゲ タカシ

漫画家・コラムニスト。1975年生まれ、大阪府出身。 「週刊少年ジャンプ」にてデビュー。 現在は「週刊アサヒ芸能」や「スポーツナビ」に連載を持つほか、テレビ・ラジオ・トークイベントに出演するなど活動範囲を拡大中。 著書・共著に『みんなのプロ野球川柳』、『みんなの あるあるプロ野球』(ともに講談社)、『ベイスたんやよ!』(KADOKAWA)、『野球大喜利 ザ・レジェンド』(徳間書店)などがある。 元よしもと芸人。