インパクトがすさまじかった元巨人コトー

2年目の長嶋巨人が日本一を成し遂げ、槇原がカープ相手に完全試合を成し遂げた1994年。1人の助っ人外国人が巨人にやってきた。その名はヘンリー・コトー。来日当初はそのなんとも言えない名前も相まって、活躍する予感を微塵も感じさせなかった助っ人コトー。しかしシーズンが始まるとそのスキンヘッドにチョビヒゲという独特すぎる風貌に、ここぞという時に飛び出すホームランで野球ファンを魅了した。特に左ピッチャーを異常に得意とし、カープ川口、ドラゴンズは今中、山本昌など名だたる選手もこのコトーには手を焼いていた思い出がある。調子のムラはあったものの最終的には日本シリーズで活躍した姿を強く覚えている方も多いだろう。(同時期にグラッデンという、「ほぼハルクホーガン」と言ってもいいほどインパクトがある助っ人も忘れられない。こちらはこちらでとにかく事あるごとに激昂し乱闘していた記憶しかない。)とにもかくにも最終的には打率2割5分1厘、18本塁打、52打点というそれなりの結果を出したもののこの年で自由契約となったコトー。翌年同じような左キラー、スキンヘッドにチョビヒゲのシェーンマックが来るという事で、キャラ被りを懸念されたのだろう。その後マリナーズのコーチを経て、現在はサンフランシスコジャイアンツ傘下でスタッフとして働いているとのこと。

コトーのSNS

そんなコトーの現在はFacebookで知ることができる。

Facebookのトップにコトーがまったく写っていない。不安になる。コトーは元気なのだろうか?スキンヘッドをより魅力的に見せるためにオリーブオイルを塗っていたコトー、足の速さを売りに来日したもののそこまで盗塁の成功率は高くなかったコトー・・・。あのコトーが見たい。「コトー」と声に出して言いたい。そんな思いで慌てて最近の投稿を見てみると、そこにはわれわれが知っているあのコトーがいた。

奥様と笑顔で写るコトー。なんと懐かしい顔なのだろうか。とても元気そうである。コトーも今年で56歳。すっかりおじさんである。しかし昔の投稿を見てみるとその考えは一変した。

孫である。もうおじさんではない。おじいさんなのだ。そしてとにかく孫と一緒の写真が大量に投稿されているのだ。「孫」でおなじみの大泉逸郎も衝撃を受けるほどの無数の「孫」写真。孫中心の生活を送っているコトーがこのSNSから見て取れる。さらにこんなオラついたコトーも。

孫の前でちょっと強気な一面を見せるコトー。とても素敵なおじいちゃんである。コトーが自分のおじいちゃんだったらさぞかし嬉しい事だろう、そんなことを思いながら画面をスクロールしているとふと珍しい写真が目に飛び込んできた。

コトーのトランプである。とてもレアなものだろう。なぜコトーがスペードの7なのか、今となっては知る者はいない。
そしてまったく関係無いのだが、流れで巨人の同僚グラッデンのFacebookも見つけてしまったのでこちらで紹介させていただく。

グラッデンはもう60歳。ハルクホーガン感は減り、落ち着いてきているようだがそれでもだいぶやんちゃな感じが見て取れる。お元気そうで何よりだ。

現在、孫に囲まれ幸せに暮らしているコトー。日本での「コトー」ランキングの一位を「Dr.コトー」に譲り渡した感は否めないものの、全ての野球ファンはその勇姿を忘れる事はないだろう。いつまでも元気なおじいさんでいてほしいものである。


ザ・ギース尾関高文