始まりは、まだ浪速の街に肌寒さの残っていた昨年の3月10日だった。エディオンアリーナ大阪で行われた大相撲春場所初日。観客のまばらな午前中、元大関の照ノ富士が序二段の土俵に立っていた。5場所連続休場から復帰。ここが出発点となり、先の7月場所での〝史上最大の復活優勝〟へとつながった。想像を絶する番付降下から人間的な成長、新型コロナウイルス禍など、絡み合ったさまざまな糸。快挙の裏側を探った。
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