CL、ルイス・エンリケの持つカンプ・ノウの伝説
0―4という結果をひっくり返すことになれば、1955年以降のヨーロッパタイトルでの207試合中において、前代未聞の快挙となる。 バルサは、最大限の幻想を抱いて、この野心的な挑戦に立ち向かう。それはバルササポーターも同様だ。対戦相手のパリ・サンジェルマンFC(PSG)を怖気づかせるスタジアムの雰囲気づくりにおいて、自分たちが重要な役割を担っていることをわかっている。これまでと同じように、カンプ・ノウ全体がエンリケ監督率いるバルサの味方にならなければならない。 バルサがエンリケ監督と共にCLでの勝利数を重ねてきたのは無駄ではない。ホームのカンプ・ノウでは、14試合連続で勝利。 2015―16シーズンの決勝トーナメント1回戦第2戦のアーセナルFC戦(3―1)で10連勝目を挙げて以来、記録を更新している。 それ以前の連勝記録は9試合となっており、2009―10シーズンと2010―11シーズンにまたがって達成された。準決勝第2戦のレアル・マドリード戦が1―1の引き分けに終わり、記録こそは途切れたが、イングランドのウェンブリーで行われたその年のCL決勝に進出した。 エンリケ監督率いるバルサのCLホーム戦14連勝という記録は、2013―14シーズンのCL準々決勝第1戦、アトレティコ・マドリード戦で、ヘラルド・マルティーノ監督率いるバルサが1―1で引き分けて以来のものである。 2012―13シーズン、バイエルン・ミュンヘンを相手に0―3で負けて以来、唯一の引き分だった。 それ以降に行われた19試合の戦績は18勝1分。現在の連勝記録の中には、2014―15シーズンに行われた2試合のPSG戦も含まれている。PSGは、カンプ・ノウで行われたグループリーグ最終戦で、トリデンテ(リオメル・メッシ、ルイス・スアレス、ネイマール)全員からゴールを決められ、1-3の敗北。この結果を受けて、バルサのグループリーグ首位通過が決定した。 ベスト8では、スアレスの2ゴールとネイマールのゴールで、ホーム戦を1―3で落とす。アウェイでは、ネイマールに2ゴールを許し0―2で敗退した。 「L・エンリケ時代」ともいえる14連勝の結果全体を見てみると、44ゴールを決めている。失点は6。1試合の平均得点は、3.14点である。 2016―17のセルティックFC戦(7―0)、マンチェスター・シティ戦(4―0)、ボルシア・メンヒェングラートバッハ戦(4―0)の結果も受けて平均値が上がっている。3月8日のCLベスト16第2戦PSG戦では、1点目がバルサにとって大切なファーストステップとなる。続く2、3点目によって、延長戦も現実味を帯びるだろう。 バルサが勝利すれば、バイエルン・ミュンヘンが保持するCLのホーム戦連勝記録にあと1試合と迫ることになる。バイエルンは2月15日に行われたCL決勝トーナメント第1戦、アーセナル戦で5―1と勝利。ホームのアリアンツ・アレーナでの連勝記録を16に伸ばした。 2016―17シーズンのCL、PSGのアウェイ戦での戦績は、PFCルドゴレツ・ラズグラド(3―1)、FCバーゼル(2―1)相手に勝利。アーセナル相手に引き分け(1―1)となっている。