公傷制度の試合制限数 シード確保狙う石川遼の考え方
◇米国男子◇シェルヒューストンオープン 事前情報(29日)◇ゴルフクラブ・オブ・ヒューストン(テキサス州)◇7441yd(パー72) 「プエルトリコオープン」で予選落ちした石川遼は、同週末にはテキサス州に入り、26日(日)に練習ラウンド9ホールを、27日(月)はプロアマ戦で18ホールをプレーしてコースチェックを終えた。開幕前日の29日(水)は夕方に姿を見せ、練習場で調整した。 この日は上空に雷雲が接近した正午前にプロアマ戦が一時中断。雨の勢いは強まる一方で、そのまま中止となった。昼過ぎからの練習を予定していた石川は、雨が上がるのを待ち、午後5時前から人もまばらな会場でパット、ショット練習にいそしんだ。 同大会では過去3回出場して最高位は31位、2回は予選落ちした。ウォーターハザードが多く「ラフは浅いけれど、その他は難しい。ティショットにプレッシャーが結構あって苦手意識はある」という。2月の「ウェイストマネジメントフェニックスオープン」以降の5試合で決勝ラウンド進出は2回。この期間で稼いだフェデックスカップポイントは20ptに留まった。腰の故障から復帰した今季は、公傷制度により持ち越した20試合で399ptを稼いで出場試合を確保する必要があるが、現在10試合を消化して135ptに過ぎない。 出場試合数が限られているため、自分の得意大会を選んでエントリーする方法もあるが、石川はそういった戦略には否定的だ。「それを意識的にやろうとは思わない。ヒューストンも結果を残せていないが、将来的にはどんなコースにも対応できるようになりたい。短期的に見たらそれも考えだが、長期的に見れば根本的にうまくなりたいこと、上に行きたいということは変わらない」。これまで石川は、試合に多く出てシーズンのリズムをつかんできた。その考えを目先の目標で変え、皮算用するつもりはない。 前週の「WGCデルテクノロジーズマッチプレー」でベスト4に入り、「マスターズ」出場を決めた谷原秀人のプレーは石川にとっても刺激的だった。「(出場権を得るための)最後の最後でつかんだのは、それだけ自分を信じられる技術があるということ。谷原さんは優勝したダスティン・ジョンソンを一番苦しめた」 今大会は優勝者にマスターズ出場権が付与されるラストゲームとして注目される。「まずは初日に全力を尽くしてプレーしたい。3日目が終わった時にそういうコメントができればいい」と足元を見て言ったが、フィールドの全員にチャンスは同じだけある。(テキサス州ヒューストン/桂川洋一)
夕日に照らされながらショットを打ち込む石川遼