オーガスタを再訪する名手たち
ベルンハルト・ランガー、サンディ・ライル、ホセ・マリア・オラサバル、そしてイアン・ウーズナムといった歴代王者たちが、オーガスタナショナルへと帰ってくる。 ランガーと同じくかつての「全英シニアオープン」覇者であり、1992年にグリーンジャケットを勝ち取ったフレッド・カプルスもジョージアの神聖なフェアウェイを歩くことになり、その後、7月には英国で開催される唯一のシニアメジャーに出場する予定になっている。 シニアツアー、そして米PGAチャンピオンズツアーを席巻するランガーは、2016年の「マスターズ」で最終日を首位とわずか1打差でスタートしてヘッドライン(最終結果は24位)を飾った。ここ4大会で3度の予選通過を果たしているランガーは、2014年大会で8位に入り、オーガスタでトップ10入りした回数を9回にしている。 59歳のランガーは、欧州出身選手として「マスターズ」で2勝を挙げた3人のうちのひとりであり、彼の他にはセベ・バレステロスとオラサバルが同大会を2度制している。 オラサバルは5年間で2着のグリーンジャケットを勝ち取っており(1994年と1999年)、1991年にはウーズナムに次ぐ2位に入っている。1997年に負った足の怪我からのカムバックを遂げたオラサバルは、その2年後に2度目のメジャー制覇を果たした。 1991年のそのオラサバルを下して大会を制覇したウーズナムは、ウェールズ人初のメジャー王者となった。スペインのオラサバルが72ホール目にボギーを叩いたのを尻目に、ウージーは2.4メートルのパーパットを落ち着いて沈め、グリーンジャケットを羽織った。今年は、ウーズナムにとって「マスターズ」出場30回目の節目となる。 ウーズナムが栄光に輝いた3年前には、「ライダーカップ」のチームメイトであり、1985年に「全英オープン」を制したサンディ・ライルがスコットランド人として初めて「マスターズ」を制した。16番でバーディを奪ってマーク・カルカベキアに並んだライルは、最終ホールで驚異的なバンカーショットからバーディを演出して、メジャー2勝目を挙げたのである。 23回連続で予選通過を果たしたカプルスは、ゲーリー・プレーヤーと共に「マスターズ」での連続予選通過記録を持っている。1992年、彼は世界ナンバーワンとして第56回「マスターズ」に臨んだ。レイモンド・フロイドに2打差をつけて上がり3ホールを迎えたカプルスは、果敢なプレーで逃げ切り、優勝を果たした。 今年の「全英シニアオープン」にはこうしたシニア世代のスター選手たちが勢揃いするわけだが、果たして我々は2017年の「マスターズ」王者がロイヤルポーチコールGCのフェアウェイを歩く勇姿を目にすることはあるのだろうか。
ランガーは昨年の「マスターズ」で最終日まで優勝争いを演じた主役の1人だった