「マスターズ」制覇を狙える5人のルーキー
これからの数日で、この事実を耳にする機会も増えることだろう。過去81年、初出場で「マスターズ」を制したのはわずか一人のみである。 オーガスタの与える試練は、経験者に味方するという考え方が支配的である。グリーン、傾斜、雰囲気、危険なエリアといったその年最初のメジャーのこれらの側面は、いずれもマグノリアレーンを通り抜ける回数が増える度に選手たちが蓄えてゆく知識である。しかしながら、今年はこれまでで最強とも言えるルーキー軍団がオーガスタでティアップする。今日からの数日間、欧州ツアー公式サイトでは今年の「マスターズ」でグリーンジャケットに袖を通すポテンシャルを秘めた5人の初出場選手を紹介する。 世界トップ35圏内でオーガスタにやってくるトミー・フリートウッドは、「マスターズ」デビューを控え、自信に満ち溢れている。昨季は終盤の10大会中8大会でトップ15入りを果たし、好調のままシーズンを終えたイングランドのフリートウッドは、2017年に入って最初に出場した「アブダビHSBC選手権」でいきなり優勝を遂げた。とても速く、クオリティの高いアブダビGCのグリーンで成功を収めたとあって、フリートウッドはかの有名なオーガスタの高速グリーンへ向けた準備ができていると見るべきであろう。 フリートウッドは中東での勝利から2カ月と経たないうちに、「WGCメキシコ選手権」でダスティン・ジョンソンに次ぐ2位に入った。「マスターズ」に関しては、フリートウッドのゴルフは、コースが与える試練に向いていると言える。彼は飛距離の出る選手であり(今季の平均飛距離は300ヤードを越えている)、パーオン率が高く(今季の欧州ツアーにおけるパーオン率はトップにランキングされている)、近頃はパッティングに長足の進歩を見せている。26歳のフリートウッドは、メジャーで優勝争いに加わるべく最近の好調を積み上げることで、昨年、同胞のダニー・ウィレットが果たした快挙の再現を狙っている。 「マスターズ」制覇を狙える残り4人のルーキーは、あす以降、随時掲載予定だ。
オーガスタ―デビュー戦ながら高い期待が寄せられるフリートウッド(Scott Halleran/Getty Images) ※撮影は2017年「アブダビHSBCゴルフ選手権」