「マスターズ」制覇を狙える5人のルーキー トーマス・ピータース編
過去81年、初出場で「マスターズ」を制したのはわずか一人のみである。 オーガスタの与える試練は、経験者に味方するという考え方が支配的である。グリーン、傾斜、雰囲気、危険なエリアといったその年最初のメジャーのこれらの側面は、いずれもマグノリアレーンを通り抜ける回数が増える度に選手たちが蓄えてゆく知識である。しかしながら、今年はこれまでで最強とも言えるルーキー軍団がオーガスタでティアップする。欧州ツアー公式サイトでは今年の「マスターズ」でグリーンジャケットに袖を通すポテンシャルを秘めた5人の初出場選手を紹介する。今回はトーマス・ピータースだ。 ルーキーがオーガスタでいいプレーをする上で、最大のハードルが毎年「マスターズ」が集める注目とプレッシャーの高さである。今年「マスターズ」デビューを飾るトーマス・ピータースは、すでに同じ類いのプレッシャーを経験し、その中でしっかりと結果を出した選手の一人だ。 半年前に「ライダーカップ」初出場を飾ったベルギーの新星は、欧州代表のルーキーとして史上初めて4ポイントを挙げた選手となった。世界34位でオーガスタに乗り込むピータースは、ここ2シーズン、ヨーロピアンツアーで2勝を挙げている。おおらかな25歳は引き続き大舞台で好パフォーマンスを披露しており、昨年のオリンピック、そして先月の「WGCメキシコ選手権」で共にトップ5入りを果たしている。 ピータースは、2012年にNCAAディビジョン1選手権を制し、全米大学王者に輝いているが、その際は、ジョーダン・スピース、ジャスティン・トーマス、ブルックス・ケプカ、そしてダニエル・バーガーといった面々に3打差をつけて優勝を果たした。ピータースはツアーきっての飛ばし屋の一人であり、波に乗ると、パターの腕前もトップクラスになる。 今季の米PGAツアーでは、10フィート(約3メートル)圏内の平均パット数でピータースは3位にランクインしている。「ライダーカップ」で一躍その名を上げたピータース。果たして、今週はメジャーで彼が名を成す週となるのだろうか。
マスターズに初出場するトーマス・ピータース(Stuart FranklinGetty Images)