谷原秀人 亡き父と一緒に…10年ぶりのオーガスタ
◇メジャー第1戦◇マスターズ 事前情報(2日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7435ヤード(パー72) 前週の「WGCデルテクノロジーズマッチプレー」で4位に入り、世界ランキング50位以内を確保して「マスターズ」出場にこぎつけた谷原秀人。2007年大会以来、10年ぶり2度目のオーガスタナショナルGCでの戦いが幕を開ける。 谷原はテキサス州でのマッチプレー後、一時帰国して3月31日(金)に再渡米。「アメリカにいるとヒマだから練習しすぎてしまうのが嫌だった」と心身の状態を日本で整えて、ジョージア州に入った。「日本で時差ボケのままだったから、ちょうどいい」と体内時計は米国時間をキープ。1日(土)にアウト9ホール、2日(日)は午後からイン9ホールで練習ラウンドを行った。 右打ちの選手ならば、ドローボールが有効と言われるオーガスタ。左ドッグレッグや、左サイドから木がせり出ているだけでなく、フェアウェイの傾斜も左から右に下っているホールが多い。スライス回転の球筋では、右サイドにボールが激しく転がってしまう。谷原は10年前、フェード一辺倒で返り討ちにあって予選落ち。ショットのバリエーションを増やして帰ってきた。 「あれ…こんな感じだったかな…という感じ。ホントに(持ち球が)スライスだったから、ラクになった気がしますね。ストレート系のボールが増えた」と、38歳はさっそく成長を実感できている。 昨年2月、胃がんで闘病中だった父・直人さんが67歳で他界した。「もう一度、一緒にオーガスタへ」の願いをかなえることはできなかったが、今回使用するキャディバッグに直人さんの写真を忍ばせている。「母(瑞代さん)が『これ、キャディバッグに入れといてあげて』ってね。喜んでいるんじゃないですかね…」。10年分の成長は、きっと天国からも見守られている。(ジョージア州オーガスタ/桂川洋一)
10年ぶりのマスターズに挑む谷原秀人。家族の応援も心強い