カチャカチャで使い分け!冬シャフトと夏シャフト
春到来。いよいよゴルファーが待ち望んだベストシーズンが近づいてきている。しかし暖かくなるにつれて、冬の間は安定していたドライバーショットが乱れ始めた、という話もよく耳にする。なぜそんなことが起こるのか…。ゴルフ工房のクラフトマンに聞いてみた。 記者)こんにちは。今日はよろしくお願いします。 関根)ようこそゴルフガレージへ!クラフトマンの関根です。 記者)あの、早速なのですが、この時季「ドライバーショットの調子が悪くなった」という話を周りからよく聞きます。これってどういうことですか? 記者)なるほど分かりました。その答えは単純です。 関根)暖かくなってきて冬場よりも薄着になり、体も動くようになりますから、当然スイングスピードも上がりますよね。スイングにクラブが合わなくなってくるから、曲がるようになるんですよ。 記者)同じように振っているつもりでも、冬と夏でそんなに変わるんですか。 関根)そうなんですよ。セーターを着てスイングしたら、飛距離が10ヤード落ちたという実験結果 もあります。暖かくなってきたら、クラブも少しハード目なスペックにした方が、いい結果が出ることがほとんどです。とはいえ、冬用と夏用にドライバーを1本ずつ買うのはちょっと厳しいですよね。 記者)たしかに、お小遣いの範囲内でとなるとツライものがあります…。 関根)そこでオススメなのが、最近のドライバーで主流になっているカチャカチャ機能を使って、シャフトだけ冬用と夏用の2本を使い分ける方法です。 関根)自分の持っているドライバーヘッドに合うスリーブ付きのシャフトを買ってしまえば、あとは好きなときにカチャカチャして交換するだけなので、とてもお手軽です。もちろんおサイフにもやさしいです。 記者)なるほど。では、SRフレックスのシャフトを使って冬場に調子が良かった人は、1フレックス硬いSシャフトに変えればいいということですか? 関根)それも一つの選択肢ですが、シャフトを選ぶときは、出球の傾向を踏まえた上で、フレックスだけでなく、重さやキックポイントなども含めて総合的に考えなければいけません。 記者)といいますと? 関根)例えば左右両方に球が散る傾向の人で、先調子のシャフトを使っている場合は、中調子とか元調子のシャフトに変えると球筋が安定する傾向がありますね。左へのミスばかり出る人には、フレックスを変えずに10グラム程度重いシャフトにするだけでも効果があります。 記者)うーん…奥が深いですね。具体的にはどういうパターンがありますか? 関根)このグローレ F2 ドライバー の標準シャフトを使っているとします。フレックスはSで重さは50グラム台です。 記者)人気のドライバーですね。 関根)グローレF2の標準シャフトは、あまりパワーのない人がゆったり振っても、きっちりシャフトが仕事をして飛ばせる設計になっています。しかし、冬場はちょうど良かったはずが、暖かくなってスイングスピードが上がってくると、しなり戻りが間に合わず、右にすっぽ抜けるような球が出始めることがあります。これはスイングにクラブヘッドがついてこられなくなっている証拠ですので、もっと先端が素早くしなり戻ってくれるシャフトが必要ということです。 関根)最近のカスタムシャフトでいうと、代表的なのはスピーダー エボリューション III あたりですね。重さとフレックスは同じ50グラム台のSを選ぶのが基本ですが、同フレックスでも標準シャフトよりもカスタムシャフトの方が硬いので、硬すぎると感じる場合はSRを選択してください。 関根)ほかにも、冬場はクロカゲ XMのような、先端側が動くことで球をつかまえやすく上げやすいシャフトを使い、暖かくなってきて球筋が少しバラつくなと感じ始めたら、ディアマナ BFのような中元調子で先端がしっかりしたシャフトに変えて、球筋を安定させるというようなパターンもあります。 記者)自分が使っているシャフトの特性を知ることも大切なのですね。 関根)自分が使っているシャフトがどんな特性なのか、どのシャフトが自分に合うのか、調べるのが面倒だというかたは、ゴルフショップに相談に行くのがいちばん手っ取り早いですよ(笑)。カスタムシャフトのデータもそろっていますからね。 記者)たしかにそうですね(笑)。今日はありがとうございました! 関根)分からないことがあれば、いつでも来てくださいね。 ☆クラフトマンのプロフィール☆ 関根 裕二 ゴルフ場勤務などを経て、中古ショップへと転職。店長として13年のキャリアを積んだのちにクラフトマンへと転身し、現在はゴルフガレージ港北ニュータウン店にて月200本超のシャフト交換をこなす。体はデカいが手先は器用である。