「マスターズ」制覇を狙える5人のルーキー ティレル・ハットン編
オーガスタの与える試練は、経験者に味方するという考え方が支配的である。グリーン、傾斜、雰囲気、危険なエリアといったその年最初のメジャーのこれらの側面は、いずれもマグノリアレーンを通り抜ける回数が増える度に選手たちが蓄えてゆく知識である。しかしながら、今年はこれまでで最強とも言えるルーキー軍団がオーガスタでティアップする。欧州ツアー公式サイトでは今年の「マスターズ」でグリーンジャケットに袖を通すポテンシャルを秘めた5人の初出場選手を紹介する。今回はティレル・ハットンだ。 ティレル・ハットンは、その年最初のメジャーである「マスターズ」のフィールドでは史上最多となる11人が出場するイングランド勢の一人だ。25歳のハットンは、安定した好パフォーマンスで「マスターズ」初出場を勝ち取った。昨年、セントアンドリュースオールドコースで「アルフレッド・ダンヒルリンクス選手権」を制して以降、11大会に出場したハットンは、そのすべてでトップ25入りを果たし、うち7大会ではトップ10入りを果たしている。 ハットンは2016年に40ラウンド以上した選手のなかでは、平均ストロークでヘンリック・ステンソンに次ぐ2位に入っており、2017年もその好調を維持している。「マスターズ」へ向けて米国で3大会に出場し、トップ5に2度入り、残りの大会でも10位タイに入っている。 ハットンは、米PGAツアーでの12ラウンドで、パットのストローク貢献度で1位にランクされ、新進気鋭の若手選手で最も優れたショートゲームの持ち主であることを印象づけた。今年は、ハットンにとって初の「マスターズ」となるが、昨年の「全英オープン」と「全米プロゴルフ選手権」でともにトップ10入りを果たしているという事実は、大舞台に物怖じしない彼の性分を物語っている。
好調を維持してマスターズに初出場するティレル・ハットン (Ross Kinnaird/Getty Images)