競技委員を呼んで大正解!チップインバーディの池田勇太は後半挽回
◇メジャー第1戦◇マスターズ 初日(6日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7435ヤード(パー72) 2011年大会以来の出場となった池田勇太は2バーディ、2ボギー1ダブルボギーの「74」でまとめ、2オーバーとして26位タイでスタートした。3人の日本勢では最高位。後半のがまんが光った。 10番を3オン3パットのダブルボギーとして4オーバーまでスコアを落とした池田は、難関“アーメンコーナー”をターニングポイントにした。 11番をパーで切り抜け、12番(パー3)ではティショットをピンから大きく離れた左のラフにこぼした。クリークにかかったホーガンブリッジを渡り、第2打のラインに目をやると、競技委員を呼んだ。前でプレーする選手たちが、手前のバンカーからショットを放った際に散乱した砂を見て、これを払うよう要求。すかさず整備スタッフが長い棒で“掃除”し、池田はスライスラインに静かに乗せてみごとなチップインバーディ。ギャラリーらが立入りを許されない静かなグリーン脇で、ガッツポーズを作った。 世界最高のゴルフショーの舞台であろうが、相手が世界トップレベルの選手たちであろうが、地に足をつけて戦うのが池田の強さ。「あれは(砂を)払ってもらって正解。あのまま打っても意味がなかった」と振り返る昨年の日本ツアー賞金王に、同組の選手やキャディも、砂を払うジェスチャーで賛辞を送った。 強風がやまない難コンディションで「パターを決めきれなかったのが課題」という。その中でも、終盤17番で残り144ydの2打目をピンそば2mにつけて2つ目のバーディを決め「後半に戻せたのは大きい。最後まで耐えられた」と納得顔をした。 同組のチャーリー・ホフマンが2位に4打差をつける7アンダーのロケットスタート。2日目は単独首位を、目の前で追いかける。「明日もどんな状況でもしっかり1ホール、1ホールこなして、きょうより良いスコアで回りたい。尻上がりで終われたので自信を持ってやりたいと思う」。ホフマンの独走に“待った”をかけたい。(ジョージア州オーガスタ/桂川洋一)
6年ぶりのマスターズでも堂々。池田勇太は3人の日本勢トップでスタートを切った