ただ1人の“ゴールデンスラム”候補 ローズが初のグリーンジャケットへ
◇メジャー第1戦◇マスターズ 3日目(8日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7435ヤード(パー72) グリーンジャケットをかけて最終日に2サムでスタートするのは、ともに1980年生まれの欧州出身ペア。悲願のメジャー初制覇を狙うセルヒオ・ガルシア(スペイン)の前には、2013年「全米オープン」王者のジャスティン・ローズ(イングランド)が立ちはだかる。 6位から出たローズは、バックナインのバーディラッシュで風の止んだムービングデーのベストスコア「67」をマークし、通算6アンダーの首位タイに浮上した。第1打をピン手前1mにつけた12番(パー3)を口火に、そこから一気に5バーディ。過去11度の出場で予選落ちゼロ。直近6大会で5度のトップ15入りを果たしている好相性のオーガスタで、絶好のチャンスをつかんだ。 ジョーダン・スピースが21歳で優勝した2年前、同じ最終組でプレーしたのがローズだった。3日目終了時の4打差を詰められないまま力負け。今年はスピースが2打差4位に迫るリーダーボードになった。「最高のポジションにいる。素晴らしいフィニッシュをするためには忍耐が必要だね」と、あすを見据えた。 昨年の「リオデジャネイロ五輪」で金メダルを英国にもたらしたローズは、2013年の全米オープンでフィル・ミケルソンとの争いを制してメジャー初制覇。その経験が「もちろん活きる」というが、「リオもそれに加えたい。(五輪は)メジャー大会じゃないけれど、僕には非常に意味があった」と話す。 テニスの世界では4大大会を制したグランドスラマーが、さらに五輪金メダルを獲得することをゴールデンスラムとして讃えることがある。リオでは女子ゴルフで既に全メジャーを制していた朴仁妃(韓国)が金メダリストに輝いた。少なくとも2020年まで、男子でそのチャンスがあるのは、もちろんローズだけ。マスターズ制覇はそんな金字塔にもつながっていく。(ジョージア州オーガスタ/桂川洋一)
ローズはマスターズでメジャー2勝目のチャンスが巡ってきた