上がり3ホールで3つ後退 石川遼は悔しい1アンダー発進
◇米国男子◇RBCヘリテージ 初日(13日)◇ハーバータウンGL(サウスカロライナ州)◇7099yd(パー71) 綱渡りのゴルフが最後に崩れた。2週ぶりのツアー出場の石川遼は4バーディ、1ボギー1ダブルボギーの「70」で回り、1アンダーの53位タイ。終盤にスコアを落とし、首位とは7打差のスタートとなった。 序盤から石川はカギに挙げていたティショットに苦しみながら、好リカバリーを続けて出遅れを防いだ。第1打は左右に散ったが、前半の12番、15番(パー5)と2m以内の少ないチャンスを生かして2バーディ。後半1番では7mを沈めて3つ目を決めた。 「本当に“スコアを作っていく”という感じだった」とピンチでパーを拾い、後半5番(パー5)を3オン1パットとして4アンダー。上位発進を大いに期待させたところで、手痛いミスが出た。7番(パー3)で第1打を左のグリーン木の裏にこぼして初ボギーをたたくと、8番は1Wショットが右に曲がり、ボールはOBラインよりも20cmほど外に転がった。コースのあるリゾート内の民家脇にあったOB杭を見て、思わず「(2打目を)打たせてくれよ…」と恨めしそうにポツリ。痛恨のダブルボギーで後退した。 フェアウェイキープは、パー3を除く14ホールのうち4ホールにとどまった。振り返れば「1Wショットが結構曲がっていたので、OBがひとつで収まったのはラッキーだった」とも言う。パーでまとめた最終9番もアイアンでの第1打をダフるミスが出た。大西洋を望む林間コースは、たとえフェアウェイにあっても、第2打の打ち出しエリアが上空にせり出た木に遮られるケースも多い。「1Wショットだけ体の開きが少し早い。曲がらない選手が上位に行くコース。まだまだだなと思う」と、反省しきりだった。 第1打をミスした後のトラブルショットは冴え、ギャラリーを沸かせるシーンはこの日も多かった。前半16番では1Wを右隣のホールに曲げた後、フックボールで前方の木をかわしてグリーンオン。3つ目のバーディを決めた1番も、右のベアグランドから木の左をスライスで抜いてチャンスに変えたものだった。「ああいう風に打てているときは。自分のクラブが“体に収まっている”、コントロールできている証拠」と復調への望みも口にした。 ショートゲームへの充実感も感じるだけに「こういう終わり方は悔しい。あした、伸ばして上がりたいです」と強く意気込む。脇目も振らずドライビングレンジへ直行した。(サウスカロライナ州ヒルトンヘッドアイランド/桂川洋一)
ティショットに苦しんだ石川遼はアンダーパー発進にも不満顔だった 木の陰からグリーンを狙う石川遼。トラブルショットは好調ながら…