乗り越えた1打の壁 池田勇太が2017年初の予選通過
◇米国男子◇RBCヘリテージ 2日目(14日)◇ハーバータウンGL(サウスカロライナ州)◇7099yd(パー71) 1アンダーの53位タイでスタートした池田勇太は3バーディ、3ボギーの「71」とスコアを伸ばせなかったものの、63位タイで予選を通過した。2017年の自身6試合目にして初の決勝ラウンド進出となった。 カットライン上での戦いを強いられた第2ラウンドで、池田は執念を見せた。予選通過ギリギリ圏内、1アンダーで迎えた後半4番パー3。ティショットをグリーン右ラフのピンに近いサイドに外すと、2打目はウェッジで、盛り上がったフェアウェイにクッションを入れ、グリーンを伝わせてカップに収めた。「山の手前にワンバウンド、山の頂上くらいにワンバウンド…。ツーバウンドとも完ぺきだったんで、入ると思った」という土俵際でのチップインバーディ。両手を握りしめて渾身のガッツポーズを見せた。 5番(パー5)をボギーとして再び後退したが、終盤8番で魅せた。右ラフからの第2打は前方を背の高い木が遮る残り188yd。6Iでかち上げ、グリーン右のカラーまで運ぶスーパーショット。「木の上を行って(池のある)左には行きたくなかった。あえて大きい方の6番を持ちました。7番だと、高さは余裕(木は越える)なんですけど、左に巻く可能性があるので」と、技術と判断力がぴったり重なった。 「きょうは体の状態が思わしくなかった。痛みがあるわけではないが、絶好調のコンディションには持っていけなかった。きょうは耐える日だとスタートから思っていた」という。カットライン上での予選通過には満足できないが、安堵はある。「ずっと1打に泣いていたので」――― 今季は前週の「マスターズ」を含め、予選落ちした3試合はすべて1打届かなかった。全選手が4日間プレーする「WGCメキシコ選手権」は61位で、世界ランキングポイント獲得に1打足りなかった。ショットの状態を徐々に上げてきただけに、今週は必ず結果を残したかった。 「初日のようなコンディションに戻して、あしたこそはいいスコアで回りたい」。待望の週末に気持ちは高ぶるばかりだ。(サウスカロライナ州ヒルトンヘッドアイランド/桂川洋一)
シーズン6試合目で初の予選通過を決めた池田勇太