強い決意で攻め続けた石川遼が4戦ぶりの予選通過
◇米国男子◇バレロテキサスオープン 2日目(21日)◇TPCサンアントニオ-AT&Tオークス(テキサス州)◇7435yd(パー72) 石川遼が貫いた”攻めの姿勢”が実を結んだ。4バーディ、2ボギー1ダブルボギーの「72」。強風の中でスコアを落とす選手も多く、55位から順位を上げて通算1アンダー47位で4戦ぶりに予選通過した。 最終18番(パー5/591yd)。フェアウェイから残り276ydの2打目地点。石川はグリーン上の前組のプレーが終わるのを待つ間、何度も素振りを重ねた。グリーンが空いたのを確認すると、勢いよく振り抜いた3Wの弾道はグリーン奥のラフまで飛び、ギャラリーから拍手が起こった。寄せて1.5mのバーディパットをしっかり決めた。 結果的にイーブンパーまで予選通過となったが、午前8時30分に出た石川が18番を迎えたときのカットラインは1アンダーだった。「最後にきょう一番のティショットとセカンド(ショット)を打てた。良かったのはこのホールだけ。でも収穫になった」。 内容は満足とは程遠い。フェアウェイキープ率は2日続けて28.75%と低調。練習場では鋭いショットを放つ1Wは大きくブレた。「試合になるとスイングが違っている。これからも打ち込んで、試合でも続けるのが大事」。気温30度を超える中、ラウンド後に練習場に向かった。 気持ちの変化もある。序盤に2バーディと流れ良く迎えた前半8番(604yd/パー5)。残り310ydの左ラフから「3Wだと届かない」と、2オン狙いで1Wを振ると大きく右に曲げた。右サイドのブッシュの中でボールを見つけたが、アンプレヤブルを宣言して、1罰打で2打目地点から打ち直し。アプローチにもミスが出て、貯金を吐き出すダブルボギーを喫した。 「本当はボギーでとどめたいところをダブルボギーにしてしまった。前週までだったらこの1ホールが自分の実力と思ってしまった。でも、1打に対して一喜一憂しないときこそ一番ゴルフが伸びていたと思う」。 この日もパー3を除く14ホールのティショットで1Wを使った。優しいコースで腕試しをしているわけではない。両サイドにネーティブエリアも数多くあり、つかまると厄介な深いバンカーもある。「ショットの状態が悪い中で、(1Wを使い続けるのは)常識的には考えられない。(心配になる)弱い自分もいる。でも続けないと意味がない」。強い決意で攻めている。(テキサス州サンアントニオ/林洋平)
石川遼はバーディ締め。予選通過を決めた