直接触れられる等身大フィギュア

 バレーボール男子日本代表の石川祐希の総制作費約2000万円の等身大フィギュアが完成し、25日にお披露目会見が行われた。会見で初めてフィギュアと対面した石川は、「すごくそっくりですね。普段は自分の顔、体は見られないので、すごく変な感じというか、不思議な感じです」と、感想を語った。

『マダム・タッソー東京』には、レディー・ガガ、マドンナ、トム・クルーズ、ジョニー・デップら、海外の大物アーティストやハリウッドスターや三浦知良、デビッド・ベッカム、ダルビッシュ有、浅田真央ら、世界的なスポーツ選手の等身大フィギュアも展示されている。バレーボール界では初めて等身大フィギュア化された石川は「誰もが知っているような超一流と等身大フィギュアを並べてもらえるのはうれしい」と喜びを語り、「これをきっかけに多くの方にバレーボールを知ってもらえたらと思います」と、白い歯をこぼした。

 フィギュアの製作作業は、昨年8月から始まり、頭や顔、体の250カ所を計測し、あらゆる角度から撮影した180枚の写真や歯形などの詳細なデータをもとに、20人以上の専属彫刻士たちが6カ月をかけて制作した。この採寸作業を振り返り、石川は「2時間から3時間、同じポーズをとって、細かく測られました。めったに体験しないことでしたが、ところどころ休憩を挟みながらうまくやりました。練習よりも、ずっとじっとしている方が自分にはきついかったですね」と、苦労話を明かしていた。

 ポージングについては、スパイクを打っている場面や、レシーブをしている場面といったプレー中のアクションにする案もあったという。しかし、最終的にハイタッチにすることにした。その理由について石川は、「来ていただくお客さんに、ハイタッチの高さを実感していただけたらと思って、これにしました」と、説明する。

『マダム・タッソー東京』では、展示しているフィギュアの周囲にはロープや柵などを設けていない。そのため、直接触れ合い、写真撮影ができるようになっている。石川のフィギュアとハイタッチすることで、バレーボール選手の大きさを実感できるはずだ。また、同じ展示スペースには、石川のジャンプの最高到達点である3m50cmが分かるパネルも設置する。「自分で見ても意外と高かったのでビックリです」と石川も驚いたという、その高さも注目だ。

 今月、イタリアへの短期留学から帰国したばかりの石川は、中央大や全日本での試合を控えている。等身大フィギュアに何か一つだけやってもらえるとしたら? という問いに「自分の代わりに大学に行ってもらいたいです。バレーとの両立は大変ですが、4年生になって授業もあと3つだけです。ただ、その3つだけでも行ってもらいたい」と答えるほど、多忙な日々を過ごしている。逆に、これだけは任せられないというものは? という質問には、「バレーボールは任せられないというよりも、自分がやりたいです」と、バレーへの深い愛情を示した。

 石川の等身大フィギュアは26日より、東京・台場デックス東京ビーチの『マダム・タッソー東京』にて展示される。「今回の経験はめったにすることのない貴重な経験で、自分にとってもすごく新鮮でした。ご来場いただくたくさんの人に見ていただくことで、バレーボールにもっと興味を持っていただけたらなと思います」と、さわやかな笑顔を見せた。


VictorySportsNews編集部