アレン・アイバーソンがウェストブルックのシーズンMVP受賞を後押し「チェンバレンの1試合100得点に匹敵する記録」
発表は6月26日に行われる『NBAアウォードショー』で NBAプレーオフも1回戦終盤を迎え、今後ますます厳しい争いが繰り広げられる。シーズンMVPの発表はNBAファイナル終了後となるが、バスケットボール殿堂入り選手のアレン・アイバーソンは、ロケッツとの1回戦に敗れ今シーズンを終えたサンダーのラッセル・ウェストブルックをシーズンMVPに推している。 『Bleacher Report』から今年のMVPレースについて意見を求められたアイバーソンは「二度と実現できないと思われたことを成し遂げた」と『平均トリプル・ダブル』を評価し、ウェストブルックがMVPに相応しいと語った。 アイバーソンはスパーズで急成長するカワイ・レナードのプレーがお気に入りのようだ。「カワイはリーグでも攻守揃ったベストプレーヤーの一人で、正しいプレーを選択する。でも、ポップ(グレッグ・ポポビッチ)の下でプレーすれば、正しいプレーを選択できるようになるもの。それでもカワイはチームを勝利に導いている。普通に考えればMVP候補だね」 だが、アイバーソンは「普通に考えれば」という前提が成り立たないのが今シーズンだと主張する。「普通のシーズンであればジェームズ(ハーデン)、カワイ、レブロン(ジェームズ)がMVPだろう。でも、今シーズンはウェストブルックのシーズンじゃないか。絶対に成し遂げることが不可能と思われていたことを達成した選手を称えるべきだ。ウィルト・チェンバレンが成し遂げた1試合100得点に匹敵する記録なわけで、文句なしに彼がMVPだよ。多くの選手がMVPに相応しいシーズンを送ったけれど、ラッセルは極めて特別なシーズンを送ったのだから」 思えば開幕前、サンダーへの期待は決して高くなかった。ウェストブルックに対しても同様で、個人能力がいくら高くても、デュラントが抜けたチームでそれまでのようなパフォーマンスを見せることはできない、というのが大方の見方だったはず。それまでも課題として持っていたシュートセレクションの悪さ、個人で打開しようとしすぎる傾向が、より悪い方向に出ると予想されていた。 だが彼は、完全に『ウェストブルックのチーム』になったサンダーで抜群のパフォーマンスを見せた。「個人で打開しようとしすぎる傾向」はさらに強くなったが、それはプラスに転じた。効率の良いチームプレーに組み込めば消えてしまう彼の特徴は、ワンマンチームに徹したサンダーで存分に発揮された。 対照的なのがウォリアーズで、ステフィン・カリーもケビン・デュラントも今シーズンはMVPの候補に推されていない。あくまでもチームプレー、効率の良い試合運びが優先。良くも悪くもサンダーとウェストブルックとは対照的だ。 シーズンMVPの発表は6月26日に行われる『NBAアウォードショー』で。一足早くシーズンを終えたウェストブルックは激闘で疲れた心身を休めながら、その日を待つ。
写真=Getty Images