2016シーズンのJ2で15位だったV・ファーレン長崎が、新シーズン開幕前に大きく揺れている。8日に佐世保市で行われた第1回サポーターズミーティングの場に、池ノ上俊一社長(49)、岩本文昭専務(48)、服部順一GM(46)の3役員の姿がなかった。
3役員はすでに辞表を提出しており、岩本専務と服部GMについては、今月初めの取締役会で辞任が了承されていた。池ノ上社長の進退は、今後の株主総会で決められるという。
長崎は、2016年度の決算で3年ぶりの赤字を計上する見込みで、その額も13年のJ2参入以来最大となる約1億2000万円と報じられている。一部報道では、池ノ上社長は、経営責任を明確にするとして辞任届を出したという。
赤字の主な原因は、広告料が前年比約7000万円減となったこと、入場料収入が伸び悩んだことが挙げられている。現在、クラブは運営費の使途を巡って、Jリーグの外部監査を受けていることも明らかになった。
それでも債務超過には陥らない見通しであり、今季は営業体制を強化し、昨シーズンは約3億6800万円だった広告収入目標を6億円として、最低でも2015年度の4億3000万円まで回復していくという。
チームの常勤役員3人全員が辞表を提出していたという異常事態。シーズン開幕を控える大事な時期なだけに、チームへの影響が心配される。
【V・ファーレン長崎】日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)に加盟するプロサッカークラブ。長崎市、諫早市を中心に、長崎県全県をホームタウンとする。2004年創設。2009年にJリーグ準加盟クラブに承認され、2012年にJリーグへ加盟した。2013年より、J2リーグに所属している。