「本当に長い1日」野村敏京、78ホール目の会心ショットで激闘制す
◇米国女子◇ボランティア・オブ・アメリカ テキサスLPGAシュートアウト 最終日(30日)◇ラスコリナスCC(テキサス州)◇6441yd(パー71) 短いウィニングパットを沈めると、疲れ切った表情からようやく笑みがこぼれた。単独首位で出た野村敏京が2バーディ、5ボギー1ダブルボギーの「76」でプレー。通算3アンダーで並んだクリスティ・カーを6ホールに及ぶプレーオフで下し、ツアー通算3勝目を挙げた。スタートから約7時間半が経過し、日の入りまで残り6分という長丁場だった。 首位で迎えた17番(パー3)のティショットをグリーン手前に外すと、アプローチはグリーンをオーバーした。ライの悪い3打目は傾斜を登り切らず4オン。約4mを沈めたが、痛恨のダブルボギーとして、クリスティ・カーに1打リードを許した。だが、正規の最終ホール18番(パー5)で2mのバーディパットを沈め、プレーオフへと持ち込んだ。 18番を繰り返されたプレーオフ。2ホール目で、野村はフェアウェイからの第2打を刻んで3打目勝負としたが、第3打はグリーン手前にショートした。しかし、これを1mにしぶとく寄せてパーセーブした。 4ホール目で、カーはフェアウェイ右サイドからの第2打を左に大きく曲げてベアグラウンドへ運び、ピンチを招いた。カート通路にかかるスタンスから、救済を受けずに放った第3打をピン約4mに寄せ、パーとした野村にナイスセーブで食らいついた。 2人にとって今大会78ホール目となったプレーオフ6ホール目。野村のティショットがフェアウェイセンターをとらえると、キャディのジェイソン・マクディード氏は迷わず3Wを手渡した。「キャディはいい人だし(関係も)いい流れで来ている」。互いの信頼で放った第2打は、ピンから2.5mにつくスーパーショット。イーグルパットはカップ際で止まったが、「素晴らしい一打になった」と振り返る会心のショットからバーディを奪い、勝負を決めた。 「幸せです。とても興奮しています。1日が本当に長かった。カーとの優勝争いで、最初は楽しくやればいいと思っていた。6ホール目の2打目も良かったけど、正規の17番でダボを打った後、18番でバーディを獲れたことが大きかった」と勝因を振り返った。「今年の目標はメジャー優勝。そこまで行けるように頑張りたい」と力を込めた。
キャディとの信頼関係から決断した一打で勝利をもぎ取った (Ray Carlin/Fort Worth Star-Telegram/TNS via Getty Images)