松山英樹と谷原秀人ペア、不満残る32位 ガッチリ交わした握手
◇米国男子◇チューリッヒクラシック 4日目(30日)◇TPCルイジアナ(ルイジアナ州)◇7425yd(パー72) 松山英樹と谷原秀人のペアは通算13アンダー32位で終えた。フォアボール形式(各選手が自分のボールを打ち、各ホールで良い方のスコアを採用)を7バーディ、ボギーなし「65」で締めた。雷雲接近で6時間以上の中断を挟んだ最終ラウンドは2組でのプレーオフを残して日没順延になった。 優勝争いとは無縁の”裏街道”の最終組。18ホールを終えると薄暗くなり照明が灯された会場で松山と谷原は「長かったですね。やっぱり(ダブルス戦は)難しいです」と振り返った。 南東からの12m/sの強風が吹き荒れ、朝から厚い雲に覆われた午前8時過ぎのスタート。強い向かい風の11番(パー5)。フェアウェイから残り281ydの2打目で松山は1Wを強振した。ピンから17yd手前のフェアウェイまで運ぶと、2.5mに寄せて初バーディに結びつけた。 だが、本調子とはほど遠かったショットに悔しさが募った。この日の後半1番など4日間を通して1Wのティショットは右のギャラリーロープの外まで飛ぶ場面があった。アイアンを含めて松山は「ショットも曲がっていたし、(2打目以降も)なかなかグリーンも捉えられなかった」と悔やんだ。相棒は気心知れた東北福祉大学の先輩。「(谷原に)プレッシャーをかけちゃったかなっていう感じがある」と語った。 谷原も不満の残る4日間になった。複雑な傾斜のグリーンに対応できず、「こんなに読めないものかな。ここまで読めないと不思議だよ」と苦しんだ。13番で8mのバーディパットを流し込んだが、この日は2バーディに留まった。「最近ずっとパターが悪いから修正したい」と話した。 上がり3ホールは松山の3連続バーディで締めた。最終9番で7mのフックラインを決めた。約1年ぶりに実戦で試した新パターの感触は悪くない。「いいパットが入っていましたね。でも流れを途切れさせてしまうようなパットもあったのでそれをなくしたい」と言うと、谷原は「自分に厳しいね」と笑った。 「2人とも良いプレーを出来た部分もあった」と松山は言った。過密日程で太平洋の往復を続けた谷原は「英樹とこれだけ一緒にいて楽しかったし、間近で見られて勉強になった。僕も成長してまた組んでもらえるようにしたい」と頼れる後輩の凄みを言葉にした。 最終組の劇的な優勝争いで悲鳴のような歓声が聞こえた18番グリーンの隣。4日間を戦い抜いた2人はガッチリと握手を交わした。(ルイジアナ州ニューオリンズ/林洋平)
4日間を戦い抜いた2人。ガッチリと握手を交わした