レギュラーシーズンのラスト3試合、Bリーグ初代王者を目指す戦いとB1残留争いの『大混戦』状況まとめ
Bリーグ1年目のレギュラーシーズンも、今日を含め残すところ3試合。チャンピオンシップの枠と残留争いが最終盤までスリリングな展開を生み出している。各グループの状況を整理したい。 全体1位争い 昨シーズンのNBL王者が頭一つ抜け出す 川崎(47勝10敗) 富山、SR渋谷、SR渋谷 三河(45勝12敗) 京都、滋賀、滋賀 栃木(44勝13敗) A東京、秋田、秋田 ※川崎は三河、栃木ともに並ばれたら下位に/三河は栃木に並ばれたら下位に 長らく川崎、栃木、三河の順で並んでいた『3強』だが、前節に栃木がホームで千葉に連敗を喫して、三河が全体2位に浮上。川崎が頭一つ抜け出しているが、直接対決の結果では他の2チームに劣るため、優位ではあるが油断のできない状況。三河は全体2位に上がったものの、残り3試合で栃木に並ばれたら3位に回る。 問題は、クォーターファイナルで当たりたくない千葉の存在。ワイルドカード上位と初戦で当たるのは全体2位。このリスクを避けたいと考えるのは当然で、それを意識した上での駆け引きがあるかもしれない。 東地区優勝争い 終盤までもつれるも栃木の優位は変わらず 栃木(44勝13敗) A東京、仙台、仙台 東京(42勝15敗) 栃木、秋田、秋田 ※A東京は栃木と並んでも下位に 激戦の東地区優勝争いは栃木が足踏み。A東京は今日の直接対決で勝っても直接対決では3勝5敗と下回るため、ここから栃木が全敗し、A東京が全勝した場合のみ地区優勝となる。 東地区2位争い 1回戦のホーム開催をあきらめない千葉 東京(42勝15敗) 栃木、秋田、秋田 千葉(41勝16敗) 秋田、北海道、北海道 ※千葉は並ばれたら下位に 各地区の1位チームが「千葉は避けたい」と考えているであろう一方で、当の千葉はもう1つ順位を上げることに全力を注いでいる。2位のA東京とは1勝差、直接対決でも下回るため条件としては厳しいが、A東京が今日の栃木戦を落とし、崖っぷちの秋田に星を落とすことがあれば、千葉には逆転の芽が出てくる。前節で栃木に連勝した千葉は6連勝と好調だが、A東京もここに来て4連勝と、チャンピオンシップに合わせ状態を上げており、順位を譲るつもりはない。 中地区2位争い 競り負けた側もワイルドカード下位は確保 三遠(31勝26敗) 横浜、富山、富山 渋谷(30勝27敗) 新潟、川崎、川崎 ※三遠は並ばれたら下位に 三遠は下位との対戦しか残していないが、特に富山はここに来て勝負強さを発揮しているだけに油断はできない。直接対決ではSR渋谷が上回るが、そのメリットを生かすには最終節の川崎戦で結果を出す必要がある。競り勝った側は3地区間2位となり、東地区の2位チームと対戦することが決まっている。また競り負けた側もワイルドカード下位でのチャンピオンシップ出場は確保。こちらは全体1位のチームと対戦することになる。 西地区2位争い 今日決まらなければ最終節での直接対決! 大阪(28勝29敗) 滋賀、琉球、琉球 琉球(27勝30敗) 名古屋、大阪、大阪 ※琉球は大阪に1勝5敗、最終節に連勝しても並ばれたらチャンピオンシップには行けない ワイルドカードの2枠はすでに手に入らない。よって大阪と琉球は残り3試合で決着をつけることになる。直接対決で下回る琉球は、今日の試合で名古屋Dに負けて大阪が勝った場合は、最終節を待たずしてチャンピオンシップ参戦の可能性が消えてしまうが、今日を乗り切れば沖縄に戻って大阪との直接決戦。勝者はチャンピオンシップのセミファイナルで全体3位のチームと対戦する。 残留争い ラスト3試合でも先の読めない大混戦 滋賀(18勝39敗) 大阪、三河、三河 ※富山、横浜と並んだら下位に 秋田(18勝39敗) 千葉、A東京、A東京 ※富山、滋賀と並んだら下位に 富山(17勝40敗) 川崎、三遠、三遠 ※滋賀、秋田、横浜、いずれも並んだら上位に 横浜(16勝41敗) 三遠、新潟、新潟 ※富山、秋田に並んだら下位に 全体15位から18位が残留プレーオフに回る。仙台だけはすでに残留プレーオフ参戦が決定。4チームのうち1つだけが残留プレーオフを免れる。現時点で14位の滋賀が優位ではあるが、直接対決の結果が悪いのは大きな懸念事項。それでもここ10試合で7勝3敗は川崎、三河、千葉(いずれも8勝2敗)に続く成績で、勢いがあるのは間違いない。 秋田はその滋賀に対して直接対決で下回り、残る3試合のカードが非常に厳しい。それでもラスト2試合をホームで戦えるのはメリットか。富山はその一歩後ろにいるが、他の3チームを直接対決で上回っており、並べば抜け出せる強みがある。そして17位の横浜は直接対決の結果を考慮しても苦しい位置に。有利な点を挙げるとすれば、対戦相手のモチベーションが他のチームほど高くないことだろうか。 最後に、残念ながらシーズンのラストが消化試合になってしまったのが京都、新潟、名古屋D、北海道、仙台。だが、いずれもシーズン最後のホームゲームを残している。チケットを買って会場に足を運んだファンに満足して帰ってもらうのがプロの義務。『プロフェッショナル』としての姿を見せてくれることに期待したい。
文=鈴木健一郎