すでに6社とスポンサー契約 19歳の歌姫セキ・ユウティン
◇国内女子メジャー◇ワールドレディスサロンパスカップ 2日目(5日)◇茨城GC西コース(茨城県)◇6670yd(パー72) 今季から日本ツアーに参戦しているセキ・ユウティン(中国)が、大会2日目を「68」で終えて通算2アンダーの6位とした。過去2回、海外メジャーの「全米女子オープン」には出場しているが、メジャー大会での予選通過は初めての経験。「嬉しいです。自信になります」と、にこやかに目を細めた。 「このゴルフ場は距離が長いし、いままでプレーした中で一番難しい。そのおかげでずっと集中力が切れなくて、それが良かった」とセキはいう。薬丸キャディと決めた茨城GCの攻略法は、常にグリーン手前から攻めること。「パーオンするのも簡単じゃないので、アプローチをたくさん練習しました」という事前準備が報われた。 じわじわと、ツアーでの人気も高まっている。ぱっちりとした黒く大きな瞳に、30種類は持ち歩くという可愛らしい髪飾りがチャームポイント。ホールアウト後にサインを求めるファンも多く、19歳ながらすでに契約スポンサーも中国信託(台湾)、Mediheal(韓国)、ゴルフApp(中国)、三洋化成、ルコックゴルフ、PINGと6社を数える盛況ぶりだ。 中国ゴルフ界の先輩で、日本でのプレー経験も豊富な「リオ五輪」銅メダリスト、フォン・シャンシャン(中国)とも懇意にしている。昨年出場した中国やアメリカの試合では、フォンと一緒にカラオケに行ったこともあるという。どちらの方が歌が上手いの?と聞くと、普段は控え目なセキが、先輩を立てることなく「わたしです」ときっぱり。じつは、中国で行われる大会の前夜祭では、指名されて歌を披露するなど、“歌の上手いプロゴルファー”として有名なのだという。 「ゴルフをしていなかったら、音楽関係の仕事をしていたと思う」というセキは、オフは高校に通う妹と一緒にカラオケに行くのが日課の1つ。得意な歌は西野カナの「会いたくて 会いたくて」だと、甘い美声でサビの部分を口ずさんだ。確かにうまい。もちろん、日本語の勉強にもなっており、趣味と実益を兼ねた一石二鳥だ。 「姿勢は低く、勉強の気持ちでやりなさい」というのが、フォン先輩からのアドバイス。「あすは良い選手と同じ組で回れると思う。とてもよい勉強のチャンスなので嬉しいです」と、素直にその言葉を実践する。(茨城県つくばみらい市/今岡涼太)
2日目を終えて6位に付けるセキ・ユウティン。その美声を披露する機会は訪れるか?