派手な見た目だけじゃない アン・シネが見せるプロ意識
◇国内女子メジャー◇ワールドレディスサロンパスカップ 2日目(5日)◇茨城GC西コース(茨城県)◇6670yd(パー72) ドキドキしたのは、本人だけではなかっただろう。大会2日目、国内女子ツアーに初出場しているアン・シネ(韓国)は、終盤17番(パー5)でバーディを奪って通算5オーバーへ。ホールアウト時点では予選通過圏外の61位だったものの、後続がスコアを落とし、終わってみれば予選カットライン上の58位で週末への切符を手に入れた。 「(17番は)3打目がラフから。ここで獲らないとダメだという不吉な予感がしたので、超能力に近い力で、どうしてもということでバーディを獲ることができました。本当に気が気じゃないというか、記憶がないです」と笑ったアン。「(予選通過は)優勝したくらい嬉しいです」と、表情を緩くした。 この日はショッキングピンクのタンクトップに超ミニスカートという出で立ち。その風貌は、これまでの国内女子ツアーでは目にしなかったほど鮮烈だ。良く見れば、靴下はクルー丈と呼ばれる足首とふくらはぎの中間くらいまでの微妙な長さ。この長さもアン本人のこだわりで、ゴルフファッションに新しいスタイルを取り入れたいという彼女の意欲を表している。 セクシーな容姿が注目を集めるが、マネジメントを手掛け、6年以上の付き合いがある(株)NOWONの松宮由季さんは、彼女のプロ意識の高さを絶賛する。「これまで、疲れたとか、嫌だとか、弱音を吐いたことが一度もない。スポンサーさんやファン、メディアへの対応もきっちりこなす。セルフプロデュースもできるし、頭がいい。彼女ほどメンタルの強い人をみたことがない」。韓国ツアーでは、シネに追随するようにミニスカートや、インスタグラムでの情報発信が流行していったのだという。 今週も、ホールアウト後は連日30分以上をギャラリーへのサインに費やしている。それも1人1人丁寧に話をしながら。また、この日はホールアウト後に記者たちの前に現れると、前日までの日本での報道に触れてこう答えた。 「日本語の記事は読めなかったけど、韓国メディアの報道は読みました。『日本のメディアが注目している』と書かれていて、胸が熱くなりました。この場を借りて、多くの関心を寄せて頂いたことに、心から感謝します」。そう言って、深々と頭を下げた。 まだ国内初戦。アン・シネが切り拓こうとしている新境地は、これから徐々に明らかになっていくことだろう。(茨城県つくばみらい市/今岡涼太)
こだわりのウェアはアン・シネの特注モデル。とくに靴下丈に注目! ホールアウト後、ギャラリーにサインをするアン・シネ。すでに多くのファンが列を作っている