ブーイングで出迎えられること必至の敵地サンダー戦を控えたケビン・デュラント「メディアがラッセルとの不仲を生んだ」
親友から宿敵へ、立場を変えたマッチアップまであと数日 ラッセル・ウェストブルックにケビン・デュラントとの関係性について聞いても、返ってくる答えはせいぜい一言か二言。逆にデュラントにウェストブルックとの関係について質問すれば、「メディアが不仲を生んだ」という演説が始まる。 2月11日、デュラントは昨年までの『ホーム』チェサピークエナジー・アリーナに帰還する。古巣との対戦を前に、デュラントは『ESPN』のインタビューに応じ、盟友との関係悪化に繋がった最大の要因を語った。 「シーズン序盤にインタビューを受けた時、ウォリアーズのチームメートを形容するのに『アンセルフィッシュ』(周囲を生かす利他的な考え)という言葉を使った。そして誰かがラッセルにこう聞いたんだ。僕がインタビューで『アンセルフィッシュ』になることについて語り、サンダーの元チームメートと球団自体をセルフィッシュ(自分本位)と言ったように言い換えて彼に聞いたんだ。それを知って、『メディアが事を荒立てようとしている』と思ったよ」 「もちろん、ラッセルは僕がウォリアーズのチームメートについて話したインタビューをチェックするはずがなかった。その上で誰かが、まるで僕がサンダーのことを悪く言ったかのように言い換えた。簡単な話だよ。メディアが事実を捻じ曲げたんだ。僕たちが不仲になるようにしたんだ」 デュラントについて多くを語ろうとしないウェストブルックだが、短いコメントであっても元相棒の決断に怒りの感情があるとは言っていない。そのデュラントは、サンダーに関してネガティブな発言は一切していない。それでも、自分ではなくウォリアーズを選んだデュラントについて聞かれれば、ウェストブルックは空気を変え、単調な答えしか言わなくなる。これが現状だ。 デュラントに対する熱の冷め方はサンダーファンの方が激しい。その多くはいまだに『裏切られた』と感じているだろう。たった1年前まで絶対的なエースで、皆があこがれを抱くスター選手だったとしても、今回は冷淡に出迎えるのがファン心理というもの。デュラント本人も、好意的に受け入れられないことは理解している。 だが、もう終わったこと。繰り返しになるが、デュラントはフリーエージェントという選手に与えられた権利を行使しただけにすぎない。サンダーはウェストブルックのチームに変わり、お互い別のチームで切磋琢磨し合うようになっただけだ。 ファンにとっても、サンダーにとっても雪解けまでもう少し時間が必要かもしれないが、パートナーからライバルに変化した2人の対決に注目する方が健全と言えるのではないだろうか。
写真=Getty Images