罰打を失格 勘違いしたのは誰だ!?パター入れ替えで大混乱
◇米国男子◇ウェルズファーゴ選手権 最終日(7日)◇イーグルポイントGC(ノースカロライナ州)◇7471yd(パー72) ある選手のルール違反をめぐって混乱が生じた―。第2ラウンドが65選手を残して日没順延になった今大会。3日目(6日)の早朝に持ち越された残りホールの途中で、ウィル・ウィルコックス(30)はコースを後にした。 初日に「71」で発進しながら、インスタートの2日目は13ホール(4番)までに4つスコアを落とし、通算3オーバーで日没順延となった。残り5ホールでカットライン(最終的に1オーバー)を目指していたウィルコックスは翌朝、パターを変更したが、これが問題だった。 ゴルフ規則では「やむを得ない理由で壊れたときなどを除いて、正規の1ラウンドの中でクラブを入れ替えてはならない」とされる。これに該当すると気づいたウィルコックスは6番のティショットを打ち終えた後、競技委員に確認した。 ルールに則れば、6番のティショットまで打ち終えたウィルコックスには、1ホールごと2罰打の計4罰打が課せられるはずだ。しかし、ウィルコックスはなぜか”失格”にあたると誤識して、コースを去ったのだ。 ウィルコックスはその後、自身のSNSに「パターを変えたら失格になったよ…」と書き込んだ。すると、先輩プロのトッド・バイリーから「違うぞ!それは4罰打だ」と返信があった。 ウィルコックスはバイリーとのやり取りの20分後、「ツアーの競技委員から『失格ではなく4罰打だ』と電話を受けた」と明かした。「僕は(コースで)失格って言われた後、罰打だと知ったんだ」と驚いた様子をつづり、「失格ではなく(記録として)棄権が正しいということになる」と記した。仮にプレーを続行したとしても、カットラインは遥かに遠くなっていたわけではあるが…。 一部の現地メディアは「混乱の後に失格」と見出しをつけて「ウィルコックスに競技委員が失格であると伝えた。彼がコースを去った後に電話で間違いをただしたようだ」と報道した。これに対し、PGAツアー側は「やり取りで勘違いが起きたようだが、彼が棄権を選択した。彼の勘違いだった」と説明した。 ウィルコックスと競技委員の1対1のやり取りは明らかにならず、真相は藪の中だが、後味の悪さが残った。(ノースカロライナ州ウィルミントン/林洋平) ゴルフ規則(抜粋) 4-4 a クラブの選定と補充 プレーヤーは、14本を超えるクラブを持って正規のラウンドをスタートしてはならない。プレーヤーの使用クラブは、そのラウンドのためにスタート時点で選んだクラブに限られる。 規則4-4aの違反の罰は ストロークプレー:違反があった各ホールに対し2打。ただし、1ラウンドにつき最高4打まで(違反のあった最初の2ホールに各2打の罰)。
被害者か?勉強不足か?ウィル・ウィルコックスは不本意な棄権となった(Jared C. Tilton/Getty Images)