“「ドライバーばかり練習してちゃダメ」は本当?” 大山亜由美
【アマチュアゴルファーAさんの悩み】 「ドライバーばかりを練習しているとなかなか上達できない、と聞いたことがあります。本当のところはどうなのでしょうか?」 【大山亜由美のレスキュー回答】 結論から言いますと、私はドライバーの練習を多く取り入れてもダメではないと思っています。理由は、長いクラブが打てなければ、短いクラブもコントロールできないと思っているからです。大事なのは練習量ではなく、練習の仕方ではないでしょうか。 私はドライバーを多めには打ちますが、その前に短い番手からスタートして、徐々に長いクラブに移行するようにしています。ドライバーを真っ先に打ち続けることは悪いことではありませんが、なるべくベストな状態で練習を行うほうが効果的だと思うからです。 ドライバーまでにベストな状態に持っていくには、単に階段形式で長いクラブに移っていくよりも、長いクラブへかえる度に必ずウェッジ(PW、AW、SWのどれか)に戻ることをおすすめします。ウェッジ→アイアン→ウェッジ→ユーティリティ→ウェッジ→フェアウェイウッド→ウェッジ→ドライバーといった順です。 理由は、短いクラブは長いクラブほどボールをとらえる意識を必要としないため、スイングの違和感に気づきやすいからです。ドライバーまで悪いスイングを継続していくのではなく、短いクラブを挟むことで、その都度スイング修正を行うことが効果的だと考えています。 ウェッジでもドライバーでも、効果的な練習をするために重要なポイントがもうひとつあります。それは漠然とボールを打つのではなく、一球一球ターゲットを定めることです。練習場では人工芝のマットが向いているライン通りに構えるのが一般的ですが、構えたマットがどこに向いているかをしっかり確認することが大切です。 よりターゲットの意識を高めるには、クラブやスティックを地面に置いて、マットのラインを無視して自ら目標をつくるのも良いと思います。こうすることで、ターゲットへの意識を強く持つ習慣が身につきます。 練習場でやっていないことを、いざ実戦でやろうとしてもなかなか成功はしません。本番では毎ショット、ターゲットを定めることになるので、同じように練習場でも仮想のターゲットを狙って練習するように心がけましょう♪ ・練習メニューは基本“短い番手”から! ・クラブをかえる度に“ウェッジ”に戻る ・一球一球ターゲットを決める ・自らターゲットをつくるのも手 取材協力/島津ゴルフ倶楽部 大山亜由美(おおやま・あゆみ) 1994年生まれ、鹿児島県出身。高校時代に出場した2011年の国体で2位に入るなど輝かしい経歴を持つ。2015年プロテスト合格。今季はステップアップツアーを主戦場にレギュラーツアーを目指す