暗中模索の松山英樹 「しんどいです」と弱音もポロリ
◇米国男子◇ザ・メモリアルトーナメント 3日目(3日)◇ミュアフィールドビレッジGC(オハイオ州)◇7392 yd(パー72) 常に絶好調を維持できないのは、人生もゴルフも同じ。世界ランキング4位の松山英樹は、2バーディ、1ボギー1ダブルボギー1トリプルボギーの4オーバー「76」とスコアを落とし、通算4オーバーの65位に後退。脱出のきっかけをつかめない不調の波に飲み込まれ、「ずっとなんで、しんどいです」と力なく目を伏せた。 つかみかけたものが、逃げていく――その繰り返しだ。この日も序盤11ホールは1バーディ、ノーボギーの好プレー。チャンスを作り、集中力の高いゴルフを見せていた。だが、12番(パー3)で、9Iでの「ミスショット」がグリーン手前の池につかまり、ドロップゾーンからの3打目はピンを越えて奧ラフへ。最後は1.5mのパットがカップに蹴られ、トリプルボギーに天を仰いだ。 「それがいまの自分のゴルフという感じ」。続く13番では、左ガードバンカー脇のラフからの3打目を、足はバンカーに入れ、クラブを短く持ってほぼ横振りで打ったものの、うまく当たらず球は自分のいるバンカーへと転がり落ちた。「投げやりにやろうとは思わないけど、投げやりみたいになりつつある。それがいまの結果になっているのかなと思う。そこは直していきたいです」。切れそうになる感情を、懸命に意志の力で押しとどめている。 「パッティングに関しては、少しずつ良くなりそう」というのが、かろうじてポジティブに思える部分。だが、「70」、「74」、「76」と日を追うごとに悪化していくスコアに、全体的な復調気配があるのかについては「そう思いたいけど、現実的にはそうじゃない」と口を結んだ。 この日のホールアウト後も、ジリジリと強い陽射しが照りつける練習場の隅っこで“きっかけ探し”にクラブを振った。途中、怒りにまかせて放り投げた何本ものクラブが宙を舞い、周囲の芝生に散乱した。だが、最後は自分で拾い集めて、バッグに収めた。結局、頼れるのは自分だけだ。(オハイオ州ダブリン/今岡涼太)
11番の2打目を右に曲げ、アプローチをする松山英樹