史上2番目の悪いスコアから優勝 ダフナーが語る“ファイターの流儀”
◇米国男子◇ザ・メモリアルトーナメント 最終日(4日)◇ミュアフィールドビレッジGC(オハイオ州)◇7392 yd(パー72) ジェイソン・ダフナーが記録した3日目のスコア「77」は、PGAツアー史上2番目に悪い“優勝者による3日目のスコア”だった。(※ワーストは1986年「ザ・ホンダクラシック」でのケニー・ノックスの「80」) 2000年にプロ転向したが、PGAツアーのシード権を確保したのは10年シーズンから。順風満帆のキャリアではなかっただけに「“過去を忘れて前を向く”ということは、ゴルファーとして学ばなければならない大きな素質」だと、経験から学んできた。 「いつも望んだ成功を手に入れられるわけじゃないし、思い通りにプレーができるわけでもない。だったら、そこからどうやって前進するんだい?」 じっと耐えて、チャンスを待つ。今季は前週まで14戦に出場して予選通過が12回、トップ25が9度あり、「かなり順調なシーズンだと思う」とダフナーは言う。「だって、ほとんどの場合、試合を勝つことなんてできないから。ここでは、それはとてつもなく難しい。自分は多分500試合くらいプロの試合を戦ってきたけど、勝ったのは7、8回。とても低い割合だよ」。 自らをファイターだと自負し、「ファイターであること、カムバックに挑むことに誇りを持っている」という。大たたきした前日のプレーを終えて失望の中にいても、優勝はあきらめていなかった。 メジャー初制覇を果たした2013年の「全米プロ」では、2日目の7アンダー「63」で首位に立ち、翌土曜日は1オーバー「71」で2位に落ちたが、最終日の「68」で逆転した。 「最初の2日間が良いプレーだったから、昨日はショックだった。でも、初日2日間に良いプレーをすることの良い点は、1日思い通りに行かなくても、まだ日曜日に優勝争いができる位置にいることさ」 ダフナーが挙げた勝利の要因は、金曜日の18番で残り176ydの2打目を直接沈めて奪ったイーグルと、最終日の最終18番で沈めた10mのパーパット。「そういうことが、ここでは差を生む。トップ10に入るような選手たちはみんな良いプレーをしているから、優勝する選手と、2位、3位、4位を隔てるのは、そんな些細なことなんだよ」と、達観したような目で語った。(オハイオ州ダブリン/今岡涼太)
大会ホストのジャック・ニクラス(右)に話しかけられ、何やら恥ずかしそうなダフナー(Andy Lyons/Getty Images)