酷暑の中立地イランで開催された一戦

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 イラク国内が政情不安のため、イランのテヘランで開催されることになったFIFAワールドカップアジア最終予選のイラク戦。日本代表は、GK川島永嗣、最終ラインは右から酒井宏樹、吉田麻也、昌子源、長友佑都。中盤の底に遠藤航と代表初先発の井手口陽介が並び、2列目に本田圭佑、原口元気、久保裕也、1トップに大迫勇也が入る4-2-3-1で試合に臨んだ。

 酷暑の中でキックオフされた一戦、日本は序盤から優勢に試合を進めていく。前半8分にはペナルティーエリア内にこぼれたボールを原口がシュートする。これはGKに防がれて得点にならなかったが、このプレーで得たCKから先制点が生まれる。この日、31歳の誕生日を迎えていた本田の蹴ったボールを大迫がヘッドで合わせる。このシュートが決まり、日本は早い時間帯でリードを奪うことに成功した。

 試合の主導権を握りたい日本だったが、その後は荒れた芝にも苦しめられて、思うようにパスをつなぐことができない。逆に18分、イラクに左サイドからクロスを入れられると、クリアーボールが中途半端になったところをマフディ・カミルにヘディングで狙われる。シュートが枠を逸れて助かったものの、あわや失点という場面だった。その後もカウンターを中心としたイラクの攻撃をしのいだ日本は、1点リードで前半を折り返す。

3枚中2枚の交代枠をアクシデントで使用

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 後半も日本は我慢の時間帯が続く。後半12分には、井手口が頭を打ち付けてプレー続行ができなくなり、MF今野泰幸との交代を余儀なくされた。チャンスを作れないながらも、時間を進めていた日本は、後半25分に2人目の選手交代を行い、原口に代えてMF倉田秋を起用する。選手交代から間もない同27分、日本はFWアラー・アブドゥルゼフラへの対応が遅れてしまう。ボールをエリア内まで運ばれると、吉田と川島の連係ミスもあり、最後はこぼれ球をカミルに押し込まれ、1-1の同点に追いつかれた。

 この試合に勝利して残り2試合をより優位な状態で迎えたい日本だったが、失点直前のプレーで酒井宏が負傷。最後の交代枠でDF酒井高徳を投入することとなった。終盤、勝ち越しゴールを目指した日本だが最後まで2点目を決めることはできず、本田のシュートがGKの正面を突いてタイムアップ。試合は1-1のままで終了し、日本は勝ち点を「17」に伸ばしている。

 2位のサウジアラビアと3位のオーストラリアと勝ち点差「1」を付けた日本は、B組で単独首位に立ち、3位以内になることが確定。次節、8月31日のオーストラリア戦に勝利できれば、6大会連続のW杯出場が決まる。


VictorySportsNews編集部